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サービスニュース-第52巻 第4号-2

2016年04月06日

アイダー・ダウン(Eider・Down)

ダウンと称される衣料品は名も無きメーカー品から、安価なユニクロ、高価なマッキントッシュまでいろいろと出回っています。
しかし、ダウンの品質には大きな差がありますが、実際に中を見ることはないので、どのような品質のものが入れられているかは、メーカーを信じるしかありません。
機会を得て、アイダーダウン(野生の鴨・けわたがも)を入手することが出来ました。また、チャイニーズダウン70%・フェザー30%ものが入手出来ましたので比較して見ました。
ちなみに、アイダーダウンは10,00円以上/g、チャイナダウンは5円以下/gということです。
 

写真2-1 左・チャイナダウン70%&チャイナフェザー30%        右・アイダーダウン
写真2-1 左・チャイナダウン70%&チャイナフェザー30%      右・アイダーダウン
写真2-2 左からフェザー・スモールフェザー2・ダウン
写真2-2 左からフェザー・スモールフェザー2・ダウン
写真2-3 アイダーダウンの状態
写真2-3 アイダーダウンの状態

写真2-1の左は中国産、ダウン70%・フェザー30%のもの、右はアイダーダウン100%のものです。中国産を取り出し撮したものが写真2-2です。アイダーダウンを撮したものが写真2-3です。
また、中国産の産地が明記してあること、毛がキレイに洗われていること、フェザーといってもスモールフェザーが多いことからかなり良心的な製品といえます。
このアイダーダウンは、一度に取れる量は少なく、特にアイルランド産、カナダ産は超高級品として扱われています。
洗って中から汚れが出てきて、数回の洗い直しでキレイにすることが出来た。けもの臭いにおいが洗い直しと風乾によって取れた。(ダウンは重さで取引するので、汚れを残して取引をする業者がいます)など粗悪品がある一方、超高級品もあるのです。
商品(ブランド)を見る、取扱い表示を見ることを忘れないで、緊張感を持ってカウンターに立つことを忘れないでください。

単なるソフトデニムです

写真2-4はあるクリーニング工場で見たデニムパンツです。
チョット離れてみれば、何処にでもありそうなパンツですが、よく見れば「LV」のロゴがあります。
先の、ダウンでもそうですが、ネクタイなども超高級品が出されることがよくあります。
私達は、お客様の衣服をお預かりしているのです、自分のラフな衣服を扱うような安易な気持ちでは決して取り扱わないでください。慣れることは、易きに流れる怖さなのです。
「単なるソフトデニム」ではないのです。

写真2-4 単なるソフトデニムのパンツ
写真2-4 単なるソフトデニムのパンツ
写真2-5 LVのロゴ
写真2-5 LVのロゴ

ワイシャツ仕上げと蒸気圧

ワイシャツプレスの蒸気圧は多くの工場が〔0.75~0.8MPa〕(写真2-6~2-10)としています。しかし、圧力を上げると衿が縮むと蒸気圧を〔0.5~0.6MPa〕に設定されている工場があります。
ワイシャツの縮みの要因は、初めての洗浄・膨潤収縮、プレスによる熱収縮に起因します。
2回目以後のプレスでは、セットミスさえしなければ殆ど収縮は起こりませんし、さらに、ストレッチプレスを使用した場合は、収縮の心配を激減させてくれます。(洗浄で衿が7~10%、前立てで10~17%も縮むものは例外として)
製作・販売の側も、衿の初期の収縮3%未満は許容範囲として、購入時に大きめのものを購入するように勧めています。
したがって、このことが除かれると、低い蒸気圧では「ロータリーカラーカフス、ダブルボディでは、カフス、前立ての裏が時間内に乾きません」「前立ての縁、ポケットの周囲に小皺ができる」「機器によっては、洗浄時の結束のシワが取れません」等々が起こる可能性が高くなります。
実際、蒸気圧を高く取っている工場の出来上がりの方が、低い工場より生産性が高く、また、キレイに感じられます。
ワイシャツの仕上げは、機械プレスだけで処理をする工場、部分的に手直しをする工場、出来上がりチェックを兼ねてアイロン修正をする工場と様々ですが、基本的に機械でのプレスが出来ていない工場では、出来上がり製品にムラがあります。
写真2-6,2-7,2-8は、ワイシャツプレスの仕上がりに評価の出来る例で、先に述べたような小皺、乾いていないというものが少ない工場(茨城・MM、静岡HW、東京・CC)の蒸気圧です。
 

写真2-6 0.76MPa 
写真2-6 0.76MPa 
写真2-7 0.72MPa 
写真2-7 0.72MPa 
写真2-8 0.8MPa 
写真2-8 0.8MPa 

写真2-9,2-10,2-11は、ワイシャツプレスの仕上がりにムラがあり、時々店舗・お客様から仕上がりの不備を訴えられています。

 

写真2-9 0.65MPa 
写真2-9 0.65MPa 
写真2-10 0.6MPa 
写真2-10 0.6MPa 
写真2-11 0.68MPa 
写真2-11 0.68MPa 

ワイシャツの仕上がり不具合には、原因は多々考えられますが、上の3工場より下の3工場の方が、「不具合」が明らかに多く見られました。この蒸気圧(0.2MPaあまり)の差は大いに関連していると考えられます。
 

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