衣料品情報

ワーキングウエアだけに着用状態が激しいようで、背中の一部、腕の裏側は剥離が起きていました。
この商品、取扱表示がおかしいです。新しいＪＩＳ規格では、ドライクリーニングは溶剤回収ためのタンブリング（乾燥）が行われる事が認められなければならず、従って、「タンブラー乾燥はお避けください」の表示は付けられないはずです。
 

 人様の会社の製品が売れるといえばコピー商品まがいのものが出回るのはよくあることですが、ご丁寧に、着用中に貼り合わせる部分がはがれる「欠陥商品（私の解釈です）」までまねをしなくてもと思うのですが。
シームレスダウンがカウンターに出現したら、貼り合わせ部分のチェックだけは怠らないようにしてください。
また、ドライクリーニング、ランドリーにかかわらず、振り切り時に破損の恐れはあります。従って、ドライクリーニングは避ける、ランドリーの時は脱水を短時間で、回転数を低く抑えて処理してください。
 

ユニクロのシームレスダウン、クリーニングに出てくる地域と全く見かけない地域があるようです。
出る地域ではこの２ヶ月で５点ほどが出されたそうです。そのうち、乾燥機を避けるようにとの指示がないものが４点あったそうですが、写真は、指示のあるものです。
しかし、よく見るとすでにシームが外れている部分があり、洗浄中の破損は避けられないと考えられます。
幸い洗浄前でしたので、お客様に説明してお返ししました。
 

写真のコート、クリーニング後に「クリーニングに出す前にはこんな状態ではなかった」とクレームの付いた商品です。
しかし、よく見ると生地の折れている部分が、生地の端から端までで、すなわち縫い目から縫い目まできっちり付いています。
通常このような出方をしている場合は、生地に問題があり、“クリーニングではっきりとした”、というのが第一に考えられるのです。
裏返してみると、布地に不織布が貼り付けられているのですが、この部分だけ不織布が無い状態でした。その真ん中に線状に折り目が付いていました。そして、この状態は生地の端から端までなっていました。
これは、縫製時には解らなかったのか、表に出ていなかったので（樹脂加工などで鮮明に出なかった）そのまま縫製されたのか、Ｂ反（キズのある反物）としてバーゲンで売られていたか、いずれにしても縫製前の生地の時からなっていたと考えられます。
 

写真は、どれも「ダウン衣料」と呼ばれるものですが、着用の目的の違いがわかるでしょうか。
 

ダウンＡ，Ｂはおしゃれ着として作られたダウンですが、ダウンＣは防寒目的で作られたダウンです。
どこが違うかというと、キルティングが見えるか見えないか、すなわちキルティングの上にさらに一枚布を付けて、キルティングの部分の通気を遮っているのです。
写真のダウンの価格は、ダウンＡ、ダウンＢ、ダウンＣの順ですが、目的別の縫製とダウンの質、量により異なってきます。
このダウンＣはダウン一枚ですが、最高の品になると野生のグースダウン１００％をキルティングしたものでキルティングをずらして２枚合わせにし、これに表に一枚、裏に一枚布を重ねて作られます。
高額品と高級品は異なる典型的な例です。