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サービスニュース-第52巻 第2号-1

2016年02月02日

接客ってテクニック?

近年、接客に力を入れられている会社・お店が多くなっています。業界としては好ましい限りです。
なんと云ってもクリーニング業にとっての「フロント」は、カウンターなのです。要は、接客(挨拶、応対)+商品の取り扱い(商品の確認、取扱いの相談、伝票発行等)のあり方がお客様との距離感を縮め、信頼関係が生まれるのです。
接客とは『方針(ポリシー)』があり、これを『目的(オブジェクト)』として『行動技術(アクション)』が作られるのです。
しかし、多くの例を見ていると、接客の技術(テクニック)だけが取り上げられていて、『何のためにテクニックが用いられるのか』という目的がハッキリしていません。このため、これを教える人も、これを学ぶ人も、このテクニックが目的を達成する手段だと云うことを忘れてしまうのです。
目的に応じるならば接客方法・技術は一つではないはずです。店頭でお客様が並ばないような接客をこころがけるのも接客ならば、並んでいただいても不快感が出ないようにするのも接客、時には並んで頂くお店ですと解っていただくのも接客です。それぞれに応じて接客技術は異なって来るはずです。
戦略があり戦術があるように、目的がハッキリしないのにテクニックが出来ても意味がありません。
私は、「新春によせて」(日本クリーニング新聞、1月5日号)の中で「きっかけはどうあれ、このお店が気に入っているから、接客姿勢が気に入っているから、商品の出来上がりが好きだからと通っていただいている方が「お客様です」、と定義しています。
ようするに、このお店の『価値』を認めていただいている方がお客様なのです。(さる会社のN社長が、このお客様以外の方々は「当店の利用者」と定義されていました。上手い表現だなと感心しました。)
 

価値を解っていただく

解っていただく「価値」とは何のでしょうか?。私達は簡単に「価値」「価値判断」「価値を知る」等々と言われますが、価値とはどういうものなのでしょうか。
お客様の求めている価値を、あえて表すと以下のようになります。
すなわち、求められている商品、その提供方法、必要性とカウンター担当者との距離感と考えられます。
 

図表1 お客様の求める価値
図表1 お客様の求める価値

クリーニングで提供する「商品」には、形で表せる「洗浄・仕上げ・包装」、と形で表せない「接客」「納期」があります。特に接客の「笑顔」は非価格要因といわれて最も形に表しにくいものです。普通、前者を「商品・モノ」、後者を「サービス」といいます。
「提供」とは、クリーニングにおいては店頭受け渡し、外交営業(定期訪問サービス)、電話受託デリバリーサービス、ネット通販方式等々により行われています。それぞれに特徴があり市場を得ています。
「信頼感」、クリーニングの場合、お客様の生活の中でのクリーニングの必要性、提供される商品・サービス、利便性、価格の判断から、お店・会社との間に培われるものです。
これらは、店頭方式の場合は「カウンターの接客担当者」、外交の場合は「その担当者」とお客様の間に生まれます。

 

何がしたいか

どのようなクリーニングサービスを提供(目的・戦略)したいのか、知っていただくにはどのような方法(接客技術)があるのかとなるのです。
まず、自身がクリーニングサービスを提供することによって、何を求めているのか、何を知っていただきたいのか、何が出来るのか真剣に考えてみて下さい。
何かで聞きかじった言葉ですので、正確でも出典も定かではありませんが、「道徳のない利」「利にともなわない道徳」は罪悪である。
人の物まねのテクニックに走った接客は、道徳(理念、志)を伴わない利の追求であり、所詮、付け焼き刃です。他の方のテクニックを真似る・吸収するためには、まず、観察・分析・理解し、自身の目的に沿った方法として展開してください。

 

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