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サービスニュース-第51巻 第9号-3

2015年11月05日

ロットのための講話 第19話

『ロットの形』

ロットの進行状況は、工場の地面上に形として表すことが出来ます。
すなわち、何時の状態では「No.1のロット」は仕上げにあり、「No2.のロット」のドライは乾燥機に、ランドリーは洗い上がって仕上げ準備にある。「No.12」は整理に、「No.11」は出荷状態にと頭上に示すことが出来ます。
実はこれがロット進行状況を一番良く表すことが出来、理解しやすいのです。しかし、この図を工場担当者に描かせようとすると描けないのです。ロットを理解し、ロットの進行に一番責任を持たなければならない担当者が描けなくて、どのようにして従業員に理解させるのでしょうか。
この絵が描けるようになると云うことは、何時の時点ではロットがどのような位置になければならないか一瞬で解るので、不足の事態への対処が早く行えるのです。
また、このロットの形を整える大切さが解ると、終業時はどのようなロットの形になっていなければ、次の日の運営が平常に行えないのかが解るので、常にその日その日で、仕事の区切り(ロットが遅れないように)が付けられるのです。
人には、事態を理解するのに「図・絵」または「数・表」で表した方が理解できるタイプがあるそうです。私は「図・絵」の方が理解しやすいように考えるのですが。
 

第20話

『ロットの監督』

ロットシステムを実施すると、ある時点で「大体できている」という声を聞くことがあります。
ロットが「大体出来ている」と「出来ている」の違いは、ロットの落ちこぼれ(出荷時不明品)があるかどうかです。このロットに落ちこぼれがあるということは「出来ていない」ということです。例えば、点数で表すとすると「0点」と「100点」の違いです。
不明品が出ると云うことは、捜し物という負の作業が生じることなのです。この負の作業は、作業者の手が止まり仕事が出来ないだけでなく、多の作業者の手も止める可能性があるということです。
ロットシステムはこれを発生させないために取られる方法なので、ロットの進行上あってはならない事態なのです。だから、大体出来たという表現はないのです。
  落ちこぼれ、不明品の原因は「乾燥機・ボックス内の確認ミス」「仕上げが一緒のロットを処理していない」「シミ抜きの遅れ」「ロットの切れ目の混入」です。
すなわち、ここに監視、確認の目が入れば防ぐことが出来るのです。あとは、だれがこの「監督・監視者」になるかだけです。よく話を聞いてみると、この担当者がいないのです。だれがこの役を受け持つのか決めてください。すぐにロットは「出来る」ようになります。
 

第21話

『出荷の人が可哀想です』

不明品が見つからないまま出荷させると、お店から来るべき商品が来ていないと工場への問い合わせがあります。
この問い合わせの電話を受けるのは、多くの場合「包装・出荷の担当者」です。でもよく考えてください。出荷の人は工場の作業の結果をチェックするのが仕事なのであって、それまでの作業に一切係わっていないのです。この人に捜し物をさせるのは酷くはないですか?。可哀想とは思いませんか?。
不明品の原因を作った人が探すべきで、お店にも本来ならその人が謝るべきです。その責任を感じてくれなければ、いつまでたっても不明品は無くならないのです。
洗う人、乾燥ボックスを管理する人、仕上げる人、シミ抜きをする人それぞれがロットとは何かを解るように、今一度確認をしてください。

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