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サービスニュース-第51巻 第8号-3

2015年09月28日

第5話

『ロットで仕事をする』

ロットを『組』・『単位』として扱う、他のロットと混在・混入しないようにする、一つの部署では全ての作業は『先のロットの全てが終わってから』、次のロットの仕上げ作業に取りかかる。(例えば仕上げでは、同一ロットのズボン、ジャケット・コート、ニット類、シャツ類、ネクタイ等が全て仕上げ終わってから、次のロットにかかります)
《ロットの単位で仕事をする》
  この同一ロット内の全ての作業の終わりの確認、ロット毎に次の工程に送られる、すなわち、ロットの区切りがとても重要な事になります。
このことは、最後の「出荷」の時に、ロット内の全ての商品が揃って「出荷」をするためです。
  商品の途中の工程での遅れ・脱落、混入・紛失は、「出荷」が出来ない可能性を作るのです。このことは同時に、不明品・遅れ品の探す作業を生み出すのです。
《仕事の優先順位》
仕事の優先順位は、常に先・今のロットが最優先です。すなわち、先・今
のロットが急がれるのです。次のロットは後回しで良いのです。
例えば、今ロット「C」を処理しています。ジャケット類を仕上げていた人・部署が、「C」のジャケット類を仕上げ終われば、他の部署のロット「C」の商品を仕上げます。
ロット「C」が終わると、次のロット「D」のジャケット類を仕上げている例を見ますが、最もしてはならない行為だと覚えてください。
これは、ロット「C」が3時の出荷、ロット「D」が4時の出荷だと考えれば、どちらのロットが急がれるのか、どちらのロットがより優先的に仕上げられなければならないか、理解できると思います。
《ロットの区切り》
ロット単位で仕事をするということは、ロットが明確に区切られていなければなりません。
例えば、ドライの洗浄→乾燥では、通常ドライ機による処理、水による処理→乾燥機、→乾燥ボックスと異なる時間を要する作業となります。これを、同一のものとして一緒に仕上げに送らなければなりません。
ここで、遅れる商品が出ることは、ロットが纏まらない・ロットが区切れない・ロット内商品が揃わない事になります。
ロットが揃うためには、ロットから外れやすい商品(水による洗浄、乾燥を必要とするもの)、監視が大切になります。
また、自分の部署の作業(例えば、ジャケットの仕上げ)が終わった時には、同一ロットの他の商品を仕上げます。このことが、ロットをまとめる、混在させない・ロットが紛れないコツなのです。この時、次のロットには決して手をつけてはいけません。
  仕上げではこのために、一つの部署が仕上げ終わったときに、何処の部署でも仕上げられる商品を残しておくと区切りやすくなります。会社によって異なりますが、『セーター・ニット類を最後に仕上げる』、『最後にシャツ類を全員で仕上げる』、『乾燥ボックスの中の商品を確認・仕上げする』等々の方法が取られています。
こうして、同一ロットの作業が全て終わったら、始めて次のロットの作業に取りかかります。これが、ロット毎に仕事をすることであり、ロットの切れ目です。
※閑散期に、これが全員に浸透・理解できるまで、例えば、同一ロットの仕上げが終わ るまで、次のロットを乾燥機から出さないような方法を訓練すると、ロット毎の仕事、 ロット単位の作業時間が見えてきます。
《ロットシステムのキーワード》
・「混ぜなければ・分けなくてよい」
・「入荷順に処理をする・先の物から順番に」
・「規則は簡単に。原則を遵守する」
・「必ずロット単位で仕事をする」
・「ロットは監視できる大きさに作る」

 

第6話

『混ぜなければ・分けなくてよい』

A配送の集荷分としてロットとして単位の区切りを付けたのですから、これを他のロットとして混ぜることは、整理の時に分ける作業が生じます。
いま先のAルートに、次のBルートが混ざると、Bルートが全部仕上がるまでAルートの商品も揃わないということになります。このとき、Bルートが次の日の配送で、Aルートが当日の16時の配送だとすれば、今優先されるべきはどちらのルートか自ずと解ると思います。ですから、「一緒に洗えるから」とか「洗剤がもったいないから」などと安易に混ぜることは、思わぬコストを生じているのです。
従って、「混ぜない」ことが原則です。ロットから、綿シャツが1点だけでたときには、1点で洗う方法を確立した方が良いと思います。
  なお、混ぜた方が合理的と考えたときは、決められたネットを利用し、洗浄後必ず機械的に分割できるようにしておかなければなりません。この時、機器の表示、ネットの色の区別が意味を持ってくるのです。
 

第7話

『入荷順に処理をする・先の物から』

コントロールによって調整された仕事・量しか工場には入荷しません。この入荷量は工場の限界仕事量よりも下です。従って、工場は入荷した商品は必ず出荷出来ます・しなければなりません。
問題は、この調整されて一時的に置かれる商品が、何処にストックされるべきかということです。
このストックは原則店舗です。
  よく、店舗には「置くところがない」といわれますが、正しくは、「現在の在庫状況では置くところがない」のです。この、現在の在庫商品は、回転していない2週間も3週間も前の商品を含めてのことです。コントロールが効いてきて商品が回転するようになると、充分置き場所は出来てきます。
逆に考えれば、工場が効率よく次々仕上げて来たらその商品の方が、未処理の袋に入った商品よりもかさばり、置くところが無くなるのです。出来上がった商品を確実に取りに来ていただく、このことが大切なのです。
とはいえ、本当に置けない店舗も有ると思いますが、この場合は場所(工場の一角など)を用意し、ここを特定のストック場所とします。ただし、これを管理するのは(お店の一部)配送の人で、他の誰も決して触ってはなりません。
《順に仕事をする》
このことは、全てに徹底してください。
例えば、一人がAのロット・ドライ商品の入荷処理しているときに、他の作業者が「手が空いたから」といって、Bのロット・ドライ商品の入荷処理などを決してしてはなりません。今はAロットの作業をするときですから同じAロットのシャツの入荷をするとか、他に優先事項がないか確認して作業をしなければなりません。
例えば、乾燥ボックスで後から入れたBロットの商品が乾いて、先のAロットの商品が乾いてないとします。このとき、仕上げが全体がAロットを仕上げていたとしたら、Bロットの商品は乾燥ボックスの中に放置して置いて下さい。いまはAロットの時間です。
例えば、これから仕上げる商品として置かれた中から、綿ブラウスを避けて下にやりやすいポロシャツなどを仕上げてはなりません。必ず、上の商品(仕上げしにくい商品)から仕上げてください。
《遅れ商品は手渡しで》
特例として、洗い直しのようにどうしても「遅れる商品」が出ます。洗う時は特定の色のネットに入れて洗います。しかし、洗い上がったらネットに入れたまま仕上げに渡してください。仕上げは、今手を付けている作業をやめて、ネットから出した商品を仕上げてください。仕上げた商品は、整理の人に手渡しして下さい。絶対に『ここに置いておくね』はしないこと。まして、整理中のレールにかけるようなことはしないで下さい。不明品を作るようなものです。
 

第8話

『規則は簡単に・原則を遵守する』

がんじがらめの規則は守られません。なるべく原則が解れば解決できる事
は、原則の理解・意思統一でおこないます。
規則がハッキリしていることが、ロット運営上望ましいことには、規則を設けて下さい。
入出荷表への記載事項・方法。ドライ、シャツ、特殊品の区分。洗浄前の容器と洗浄後の容器の区分け。洗浄用ネットの使用方法。遅れ品の確認担当者。遅れ品の手渡し等々は、規則として定めることが求められます。
今は、閑散期だから多少の融通は付けるけど、このような態度は、必ず繁忙期に自分を苦しめることになります。
 

第9話

『必ずロット単位で仕事をする』

ロットで仕事をするようになると、必ずしも時間優先で仕事は区切れなくなります。
ロットの運用上、昼の休みが12時から午後の休憩が3時からとは出来ないことがあります。従業員の了解を得なければなりませんが、昼が12時15分からとか、午後の休憩は「№10」のロットが終わってから、というようなことになります。また、多くの場合、配送の人は同一の時間に休憩できなくなります。
同様に、終業時間は、どのロットまで済ませたら終業ということになるので、時間は一つの目安です。
もっと細かく見てみれば、整理・出荷は「№7」「№8」が終わったら終了、洗浄後・仕上げ準備品は「№9」まで、洗浄前は「№10」まで、入出荷チェックは「№11」まで、ただし、「№11」のドライ・水処理品は洗浄後・乾燥状態(自然乾燥)とする。このように、次の日の段取りが付けられた段階で終了となります。
 

第10話

『ロットは監視できる大きさにする』

経験的な事ですが、ロットを余り大きくして一ロットの処理に時間を要すると、ロット(区切り)の監視が甘くなり、結局ロットをこわすことになります。
機械設備等、個々の会社の事情によりますが、一ロットは30~45分で処理されるのが望ましく思われます。60分以上のロットを組むと仕事が散漫になるようです。
ただし、点数ロット(リネンサプライに多く見られる)や、時間ロット(大型店舗付工場・米国で多く見られる)を採用している場合は異なる事も考えられます。
 

第11話

『多能工をもとめて』

ロット内のいろいろな部署の作業が、ロット単位で処理されるということは、各人がいろいろな異なる仕上げが出来なければなりません。ジャケット類を仕上げ終わっても、異なる仕上げが出来ないと、せっかく早く終わってもすることがなくなります。(このことが、次のロットのジャケット類を仕上げることになるのです)
ここで求められるのが、部署ごとに「次の作業」を決めておくことと、いろいろな作業が出来るように「多能工」を育てることです。
ロットシステムにおいては、ある飛び抜けた能力よりも、いろいろな作業が出来る多能工の方が求められるのです。
《教え方を統一する》
簡単に「多能工を育てる」と言われますが、多くのクリーニング工場では
AさんとBさんの仕上げ手順が違うことは普通ですし、生産性の話や品質の安定性の話になると「誰々さんは良いのよ、でも、誰々が遅いのよ」と作業手順の不備と個人能力の話がないまぜになってしまいます。
問題は、機械導入の時点で「この機械の標準作業・操作はこのようにされます」という基礎が伝わっていないことです。
さらにこの商品は出来上がりは「このようにあるべき」です、と仕上がりの形を教えられていないことです。
この二つのことを抜きにして、「こうやって、ここをおさえて、こっちをぴっぱって」解りました?、それでは「やってみて」。このような形容詞の羅列の指導方法では、教えられる人の感じ方によって身につく手順が異なり、作業ポイントも確実には伝わりません。
《マニュアル》
まず、整備しなければならないのは「マニュアル」です。マニュアルが作られ、誰もがマニュアル通りに作業をするようにします。
マニュアルとは作業の規範・ルールです。従って、誰もがこのように行動することを義務づけられます。それだけに、教える人は「徹底して出来るように教育・訓練しなければなりません
マニュアルは、①作業まえの段取・準備→どのロットから仕事をするのか・資材・備品・作業の商品の確認事項、②作業手順→一つ一つの作業と作業ポイントをイラスト(写真)で記したもの、③次の作業の優先順位→ロットとして用意された商品の作業を終えたときの次の行動の順、からなります。
マニュアルの「キーワード」は以下のようになります。
・「いつでも」「どこでも」「だれがしても」
・「常に順番に、先のものから」
・「確実に1回で」「同じ動作を2度しないように」
・「次の作業を考えて」
・「チームワークで対処する」
・「全ての作業はロット単位で」
・「確認せよ」「あなたがチェックです」
 

第12話

『「いつでも」「どこでも」「だれがしても」』

人種の坩堝となった米国のような他民族国家では、同じ仕事をしてもらうのですが必ずしも同じようには働いてもらえません。これは、民族・言語・教育・宗教・生活習慣等々が違って育った人々が、同じ職場で働くのですから当然と言えます。
そこで、せめて社内で作業をする際には「このように働いて下さい」、このことを具体的に期したのが「マニュアル」です。したがって、アメリカのマニュアルの教則本には「マニュアルとは者の行動規範である」とまでいいきる例があります。
そこでマニュアルを作る上で、また、習得した結果はこのようになると定められたのが「いつでも」「どこでも」「だれがしても」ということです。
繁忙期でも・閑散期でも、Aの機械でも・Bの機械でも、日本人がしてもフィリピン人がしても、就業10年のベテランがしても、入社半年目の人が作業しても同様の結果(同様の品質、同様の仕事量)が得られるように、作業手順を定めたのがマニュアルです。
このために作られるマニュアルとは、「具体的に・細かく(形容詞では表現しない)」「イラスト・写真で」「ポイントを強調して」「出来上がりを理解させる」ように書かれます。
 

第13話

『確実に1回で』「同じ動作を2度しないように」

正しい操作を確実に行うことが、結果的に早くて安定した仕事が出来るのです。
例えば、ワイシャツのカラーカフスプレス(通称三ツ山)、プレス前の商品が置いてある所から、商品がセットされるまでを見てください。
簡単に動作を追うと、①衿(カラー)とカフスを持ってプレス機の前に立つ、②衿をプレス機に置く、③カフス(右)をセットする、④衿をセットする、⑤左カフスをセットする、⑥プレスボタンを押す、となります。
もうチョット詳しく見ると、①衿を大きく持ち上げて持ち、プレス機の前に立つ、②衿をプレス機にセットする、③右カフスを衿の下から引きだし、④右カフスをセットする、⑤左カフスを衿の下から引き出し、⑥左カフスをセットする、⑦カフス操作中に動いてしまった衿をセット、⑧プレスボタンを押します。
傍点を打った動作が無駄な(1回で出来なかった)動きです。この両者の時間的差は前者が8~9秒、後者が10秒~14秒です。
この前者の動きを、誰もが出来るようにした「マニュアル」から抜粋すると以下のようになります。
①衿の端を両手の親指と人差し指で持ち、手前に引き、②両手の中指で左右のカフスを持ちプレス機の前に立ち、③衿プレスの上に、衿(親指・人差し指でもっていた)を置きます、④カフスを持っている手で両袖を軽く引き、⑤右カフスをカフスプレスに置きます、⑥左カフスをセットします、⑦衿をセットします、⑧右カフスをセットします、⑨プレスボタンを押します。
例えば、ワイシャツの胴プレスにおいて、両肩を正対させて背中を下に引いてからネックを止めるのが正しい手順ですが、ネックを止めてから背中を下に引く人がいます。この方法ですと、前立てがまがって、脇にシワが出て仕上がるシャツが多くなります。場合によっては、手直しとなります。

第14話

『次の作業を考えて』

QCの考え方の中に、「次工程はお客様」というのがあります。次の工程をお客様だと考えれば、「終わったよ」と、自身の仕事を放り出すように終わることは出来ないのです。
次の工程の人が扱いやすいように置く、平面仕上げの商品、包装の時に解るようにタックが見えるように置く(時にはちぎって)、整理の人がタックが見やすいようにプレスする、等々次の作業のことを考えて引き継ぐようにすると、スムーズな流れが生まれます。
すなわち、配送の人は入荷チェックの人がまごつかないように、ドライ、ランドリー、特殊と解るように置く(表示する)。
入荷チェックの人は、ロットで明らかに別工程となる商品を区分けする。(黒っぽい商品、白っぽい商品、水で処理する商品、小物等)
  一緒に洗われた商品の洗浄後の振り分け(ズボン、上着類、ニット類、シャツ類等々、仕上げ部署への振り分け)時には、次の工程が作業しやすいように商品を並べる。
ロットを動かすに際しては、入荷チェック・前処理・洗浄は仕上げが、仕上げは整理・包装が、整理・包装は配送・店舗がお客様だと思えば、「見りゃわかるダロ」「大体揃っている」というような仕事はしないはずです。
このように考え、次工程は「お客様」とすることによって、各々が責任をもってロット運営に携わることになるのです。

第15話

『チームワークで対処する』

クリーニング工場で働くことは、多くの場合個人です。ワイシャツのプレスなどで何人かで組んでチームとして作業することはありますが、殆どが、入荷チェック、前処理、ズボンの仕上げ、ワイシャツの仕上げ、出荷チェック等々一人です。
そして、一人一人が自分に与えられた(自分が対処すべき)ロット内商品を処理し終えたら、次はチームの一員として働きます。例えば、ジャケット類の仕上げを担当していてジャケット類の仕事が終わったら、ドライ仕上げチームの一員として優先順位の決められている商品を仕上げします。さらに、前後の作業者の仕上げのフォロー、乾燥機・ボックス内の商品の確認、無ければ包装のバックアップ。時には、ワイシャツの入荷チェック等々、次々とより大きな単位(チーム)の一員となります。すなわち、①個人として働き、②ドライ仕上げのチームの一員、③ドライチームの一員、④工場チームの一員として働くのです。
  そひてその時々のチームの一員として、それぞれがロットをコンパクトに処理していきます。
 

第16話

『全ての作業はロット単位で』

まず、どのロットを処理するのか、次の仕事は何か、ロット内の仕事は全て終わっているのか、次のロットへの指示は出たのか、等々自分に与えられた作業の進め方を常に「ロット」の意識をもって行います。
このロットは何時に自分の部署を終えるのか、ロット進行は時間通りか、今日はどのロットまで処理して作業終了となるのか、全ては「ロット」で考えて下さい。
100点配送で入荷された商品(ロット)は、100点配送で出荷されなければならないのです。したがって、工場内の処理もロットで送られていなければなりません。
「全てはロットなのです」
 

第17話

『アナタがチェックです』「確認せよ」

次工程から商品が戻るということは、その前の工程に不備があったということなのです。アナタ自身が行った作業の確認を怠れば、次工程の人がいらぬ作業を強いられることに繋がります。
店舗にあって、確認・返品という商品が出たことは『恥』だと思ってください。このことは、アナタの検品作業ミスを指摘されているのです。無くてよい作業、いらぬ作業が生じたのです。
このことによって、お客様がお引き取りに見えたときに「商品が出来ていない」というような事態を招きかねないのです。
工場内でも同様で、仕上げ不備を整理・包装で発見「再仕上げ」が出たと言うことは、仕上げ者の作業確認ミスが生んだ、いらぬ仕事なのです。
アナタの作業のチェックは、アナタ自身であることを忘れないでください。

第18話

『机上研修をバカにしないで』

最近でこそ、店員さんの教育に60時間をかけて社内研修を経てから店舗に出す、というようなことを聞くようになりましたが、しかし、今でも社内・机上研修10時間程度、後は店頭でベテランに実地で教えてもらう、このような例が多いのです。
会社の方針(どのようなクリーニングをしているのか)、働く環境(どのように働いてほしいのか)、作業内容・接客(服務規程・挨拶・会話)、カウンターでの商品取扱い業務(受け取り・簡単な検品・取扱い相談・加工の勧め・伝票発行・納品確認・金銭授受)、商品処理(タッグ取付・加工等補助タッグの取付)、商品コントロール(曜日別商品管理・コントロール台帳記入)、配送ごとの商品の受け渡し等々を教育するのには、最低でも30時間以上の社内・机上研修が必要です。
これを、現場で場当たり的に教えていたのでは、とてもではありませんが、個人の能力が飛び抜けて優れていなければ出来ないことです。このため、新人を配すると、長い間ベテランの補佐が必要となり、しいてはお客様に不愉快な想いをさせることになります。
お客様は「ベテラン」なのです。お客様は、この店での接客、商品の取り扱い、すなわち、次にどのようなことを聞かれるのか、次に商品がどのように扱われるのか熟知しているのです、店員さんがそのように動いてくれないでもたつくと、不愉快になるのです。
この「お客様が不愉快になる」このような事態が避けられるように、社内・机上研修をします。机上研修を決してバカにしないで下さい。よく考えると「ウチで机上研修出来るのは?」というような事なのです。
ここでも「マニュアル」が必要なのです。
同様に、工場でも机上研修がキチンと行われている例は少ないのです。ですから、私が工場でチョット注目していると「あのコはまだ入ったばかりで」「まだ慣れていないので」「チョット不器用なコで」と言い訳をすることになるのです。
最近のように、研修生を迎えるようになれば、1ヶ月も教えれば普通に働いてもらえるようにならなければ、とても一人前の給与は払えないのです。大体、クリーニング工場の作業では、特別な専門職を除けば、1週間もあれば覚えられ、3週間もあれば一人前として動けるようになります。この最初の一週間に行う机上研修、反復練習(トレーナーが着ききりで出来るまで教える)が重要なのです。
ここでも「マニュアル」が必要なのです。

 

第19話に続く

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