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サービスニュース-第51巻 第4号-1

2015年06月10日

ズボンの仕上げ方

以下のシングル・ズボンプレスの手順を見て下さい。
①両足をプレス機の上に置く。
②上にある脚を左側・プレス機の外にたたみ込む(ズボンの内側が上を向 いている)


 

③プレス機上の脚をもって裏返す
③プレス機上の脚をもって裏返す
④脚プレス機にセットする。脚の外側が上を向く。
④脚プレス機にセットする。脚の外側が上を向く。
⑤プレスする。
⑤プレスする。
⑥プレス後のズボンの状態
⑥プレス後のズボンの状態

普段あまり見慣れない作業手順ですが、このように仕上げをされている工場がありました。
私がこの業界に入った頃は、標準作業手順として外側が上に来るプレスを教えられました。
その時には現在のように、ズボンの内側が上に来るようなプレス方法は、簡易なプレス手順として教わりました。
何故ならば、プレス機とは上コテ側(硬い方)が当たりが少なく、当たりは柔らかい方(下コテ・パッド)に出やすいのだからと教えられました。
この点サンドイッチプレスは、上コテ、下コテを硬くし、中コテに柔らかいパッドを用意すれば、ズボンの外側は当たりが出にくく、内側に当たりを出すという仕上げが出来ます。
チョットズボンが異なりますが、下の写真を見比べて下さい。写真1はその工場でのズボンの仕上がり、写真2は通常のズボンの仕上がりです。
 

写真1 当たりのないズボン
写真1 当たりのないズボン
写真2 当たりの出たズボン
写真2 当たりの出たズボン

ワイシャツの仕上がり

仕事を疎かにしないで下さい。
商売としてみれば、自社が目立つこと、お客さまに知ってもらうこと、販促に魅力があることは、お客さまを得るには大切なことです。それぞれのお店(会社)が同じメーカーの製品を取り扱う場合は、このようなことが成り立つのです。
しかし、だからといって、クリーニング作業の手順を疎かにしないで下さい。中には、洗うことや、仕上げで手抜き作業を行ってこれを標準作業とし、キレイにしてほしかったら、ワンランク上の手順があるのでこれをお勧めします。のような不届きな業者も目につきます。
例えば、ワイシャツの毛羽(着用時のニットの毛)→すすぎ工程の手抜き。ネクタイのしにくい衿→乾いていない、衿がキチンと折られていない。ポケットの中にゴミが残っている→ポケット掃除のミス。など、数え上げればきりがないほどです。
せめて、標準的な作業工程では無茶な手抜き作業をしないように心がけて下さい。
写真は、当事務所近隣のクリーニングに出したワイシャツですが、仕上がりがこれほど違うのです。さらに、写真3のワイシャツが一番冴えていませんでした。他山の石と考えないで下さい。

写真3 一寸ひどい?
写真3 一寸ひどい?
写真4 マアマア
写真4 マアマア
写真5 まあ良しか
写真5 まあ良しか

MA値の測定

ウエットクリーニング・MA値の判定に関する仕事が増え、事例も多く集まるようになりました。

(※詳しいデータは「毛利レポート」を参照下さい。)
 

写真6 MA値測定準備の状態
写真6 MA値測定準備の状態
写真7 測定前の布
写真7 測定前の布
写真8 測定後の布
写真8 測定後の布

 現在私の手元に集まったデータから見ると、現状ワッシャーで行われているウエットクリーニングの方法では、MA値は32~36の範囲、すなわち、新JIS表示の「ウエットクリーニング・アンダーバー(MA値20~35)」に対応しているように思えます。
従って、ウエットクリーニング・ダブルアンダーバーに対応するためには、洗浄方法に工夫が求められます。
現在の所、これに対応できているのは「マジックスピン(MA値8~11)」と「ハイブリッドウェットクリーナー(MA値8~17)」です。
 

ジャケットの袖の位置

仕上がったジャケット、袖の位置は真横でなくて、袖口の方が少し前身頃の方に出るようになります。
人体プレス、サンホーマーなどでも、正しく着せると(仕上げ機の肩の位置と袖付けの位置が合うと)、蒸気が当たり、熱風が出ると袖が少し前に出てきます。
同じような現象が、長岡グランドホテルの上等なハンガーに商品を吊したときに見られました。ジャケットは少しくたびれていますが、袖が前に出ているのが解るでしょうか。色が違って見えるは、撮し方が悪く絞りが安定せず起こった現象です。
 

写真9 右袖に注目
写真9 右袖に注目
写真10 袖口が前に
写真10 袖口が前に
写真11 袖付けにも注目
写真11 袖付けにも注目

女性だけの工場

お見事!!!先日、訪問した工場、工場内の従業員は一人の配送(専従)一人の障がい者、を除けば全員女性だけで運営されていました。
最近は、女性が運営されている工場の話を聞きますが、女性だけという工場は珍しいのではないでしょうか。
この工場、ロット管理に優れていて、この3,4,5月でも納期は安定していて、工場に入荷後、一般品は3時間後、特殊品は中一日で順序よく、何も滞貨せずに出荷されています。
規模は、1000~1400点/日で、配送を兼ねた女性従業員を含め8人で、17時から遅くても18時迄の操業とのことです。このための多能工化がすごくて、2人が全ポジションが出来。2人が入荷チェックから前処理、ドライの仕上げ、包装・整理・出荷チェックまで出来。2人が入荷チェックから洗浄、ワイシャツの仕上げ、包装・整理・出荷チェックまで出来るそうです。さらに、特殊の洗浄・加工が出来る人が3人、仕上げが出来る人は5人いるそうです。この内、配送が出来る人が3人だそうです。なお、この日、シフトに入っていない方3人の方のうち2人が多能工だそうです。
以下、責任担当者を例に見ると、
 

写真12 ジャッケットの仕上げ
写真12 ジャッケットの仕上げ
写真13 平面包装
写真13 平面包装
写真14 ワンピースの仕上げ
写真14 ワンピースの仕上げ
写真15 ドライ機の作業
写真15 ドライ機の作業
写真16 入荷チェック
写真16 入荷チェック
写真17 検品前処理
写真17 検品前処理

この方、写真に取り損ねましたが、特殊の洗浄・加工・乾燥の処置もしていました。他の方々も紹介したいぐらいですが、とにかくお見事です。

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