クリーニングのトータルコンサルティング
2014年07月01日
写真の麻100%のシャツは、クリーニングのカウンターで「汗まみれになったので水で洗って下さい」とお願いしました。
しかし、実際にはドライクリーニングされたようでした。そのことは、胸に残るシミです。このシミ写真のように際がハッキリとした典型的な水を介したシミの形状です。
その後の状況から見るとこのシミは、クリーニングに出す前日の夜、寿司屋で付けた醤油のものと考えられます。水で洗ってくれていれば、痕跡も残らないはずです。
それが証拠に、やむを得ずそのまま着用したら、その日の汗で薄くなってきました。ついでに、この衿のシワは何なのでしょうか。
写真の様子を見て下さい。自身の工場でこのような風景を目にしたことはありませんか。
少なくともこのような工場で働く人には、お客さまがお金を出されてクリーニングに出している、という意識は働かないのだと思います。
繁忙期の袋のストック、ある時期の毛布の山をみていると、商品に対する感覚が鈍くなるのかも知れません。しかし、クリーニングの危機的状況と口にする割には、やっていることはお粗末だと思いませんか。
写真7は仕上げ工程中の様子ですが、「乾く」と誰もが解る状態ですが、これを不思議と思わないで、朝礼に行くという感覚はいつ出来てしまったのでしょうか。
また、プレス中の商品を多量に残すということが、プレス不良品を作る要因の一つであるとの認識は無いのでしょうか。これだけ山積みにして、一番下の商品と一番上の商品が同様の仕上がりだと考えられますか?
写真のようなワイシャツ、出荷しては拙いでしょ。このような現場ではこれはイレギュラーではありません。仕上げ何枚かに一枚はこのような状態の出来上がりです。
ひどい話は、上げればきりがないぐらいで「キチンとした商品を出そう」とか、「お客さまからの預かりもの」という意識は全くと言っていいぐらい無いようです。
一度、立ち止まって身の回りを見て下さい。気がつかれたら「反省」「対策」「教育」「実施」をして下さい。
写真はズボンをシングルプレス機で仕上げている状態ですが、私が始めて米国のプレス機のマニュアルで知った通りの仕上げをしていました。この方法はズボンの正しい仕上げ手順なのです。
レギュラーコースのクリーニングでこのような方法で仕上げているのを、はじめて見ました。
①両足を揃えてプレス機に置く
②左足を横にはねてタタム
③表返しにする。右足を表が上になるようにセットする
④右足をプレスする
⑤右足をタタム
⑥全体(腰・両足)を裏返す
⑦左足を引き延ばし、セットする
⑧左足をプレスする
ここまで考えている業者の方がいるのを見て、中には考えて仕事をされている方もいるのだと、少々見直しました。
クリーニングの店内は、取りに来られないお客さまの商品で在庫の山となっています。
どのような商品を不良在庫と評価するかというと、1週間以前の商品は不良予備品、2週間以上の商品は不良在庫です。
どうしてこのように判断するかというと、多くの方が生活必需品購入の為のサイクルが1週間だからです。クリーニングを利用される多くのお客さまもこのサイクルに合わせて来店されます。
従って、お客さまと納期の約束は、大体一週間をめどになされます。この時大事なのは、必要に迫られた商品は納期を「言っていただける」のですが、それ以外 の商品に関しては「いつでも良いわ」となることです。この「いつでも良いわ」は納期の確約が出来ないのです。
この状態から、会話によってスムーズに納期を「言っていただく」のが不良在庫をなくすコツです。
写真は、この問題に取り組んでから約1年、商品在庫が1/4以下になった店内です。またこの会社、本年1月~現在(7月)まで、不明品なしとなっています。