クリーニングのトータルコンサルティング
2020年03月04日
緊急メモ
クリーニング業として、現在の新型コロナウイルスに対してどのように向かい合って行くべきなのか考えて見たいと思います。
必ずしも新型コロナウイルスがインフルエンザウイルスと同じとは言えないでしょうが、ウイルスの形態ということに関しては類似のものと考えられるはずです。この事から、金属、ビン、プラスチックに付着した場合と違い布地に付着したウイルスの寿命は極端に短いと考えられます。
従って、今飛沫を浴びたというような衣服を除けば、衣服からのウイルスの感染はほぼ無いと思われます。過去にも衣服が感染源になるというような例を聞いたことはありません。
◆私達が考えるべきことは二つです。
・クリーニングはウイルス対策として有効か
クリーニングの処置という観点から見れば、ドライクリーニングの洗浄は、付着した汚れの除去には大変力があります。多くの汚れと一緒にウイルスも除洗 されると考えられます。また、溶剤乾燥工程では、60~80℃の熱風で処理さ れますので、ウイルス除去効果は上がると考られます。
ランドリーは洗浄力が強いので除去出来ると考えられます。さらに、ワイシャツ、白物は漂白という行為で強力な効果が重なります。
さらに、仕上時にはドライで、105℃以上で、ランドリーで150℃ 以上 の熱で処理されているので、ウイルスの活性は無いと考えられます。
⦅クリーニングはウイルス対策として極めて有効です⦆
・店頭での対応
カウンター担当者への説明。店舗で注意すべきは、商品からの感染はほとんど 考えられないので、お客様との接触です。店舗でのお客様との対応は、①直接お 客様と接触しない。②お客様毎に手洗い、または、消毒をする。③換気をよく する。④加湿をする。等が必要な対策といえそうです。
※商業クリーニングで用いる漂白剤は、多くが過炭酸ソーダ、過硼酸ソーダ、加酸化水素水です。次亜塩素酸ソーダは薬用が強すぎるのであまり用いません。ランドリー専門工場、リネンサプライ工場では、用いることも多いです。
※家庭で次亜塩素酸ソーダ(キッチンハイター等)を用いるときは、希釈の濃度 (0.05%程度)を間違えないようにしてください。肌荒れ、布地の脱色等が 起きる可能性があります。使用後には、必ず他の布でから拭きをしてください、 放置すると、錆の原因となります。
一度作ったら使い切ってください、また、絶対に直接手に触れないようにし てください、肌荒れの原因ともなります。
写真1 インフルエンザウィルスの生存率 |
※写真は、ハンガリーの研究機関が上げた、インフルエンザウイルスの生存率で す。これは、浮遊させたウイルスの生存実験のデータですが、新型コロナウイル スは空気感染はしないと云われていますので、このデータよりも生存率はもっと 低いと考えられます。
※また、アメリカの疾病対策センターの研究では、新型コロナウイルスの生存率は 金属の表面で2時間程度、プラスチックではこれ以上になると言われています。
また、クルーズ船での大量感染は接触感染と思うとされています。
◇これらの事から、ものを触った手は、一度洗うまで顔に触らないようにする。ものを触った後は必ず手を洗う。このようにして直接の接触、金属、ビン、プラ スチック等に付着したものからの感染を防げば、あとは、加湿と換気が大きな要 素となりそうです。