クリーニングのトータルコンサルティング

サービスニュース

サービスニュース一覧

サービスニュース-第56巻 第2号-2(ワイクリン)

2020年02月04日

ワイクリン

サブスク(サブスクリプションの略)の世界にクリーニングはいないのかと渡り歩いていると、ありました月極・定額でワイシャツを貸す会社「ワイクリン」を見つけました。

 

写真2-1 ワイクリン(ホームページより)
写真2-1 ワイクリン(ホームページより)

ワイシャツを定額(8,800円、12,800円、24,800円)で毎月20着お貸しします。着用後はそのままお返しください。次の20着をお貸しします。と云うサービスのようです。詳しくはホームページをご覧下さい。
衣装をレンタルする、衣服をシェアする、ユニホームをレンタルする会社があるのだから、このような会社もあってしかるべきかとも思います。
料金を計算すると、丁度「頼んでも良いかな?」、8,800円のコースだと単価440円、ワイシャツを買う手間、クリーニングに出す手間、破損の保証等々を考慮すると、「・・いけるかな?」と考えさせられます。

 

キレイなシャツが着たいです

ワイシャツのクリーニングテストを始めて、3年が過ぎました。第5回中間報告を出しましたが、中々安定したワイシャツが提供されません。中には、あまりの酷さにテストを中止した会社もあります。
このテストでは、どこの会社・工場が、どんな洗い方をしようが、何処の機械を使おうが関係はありません。あくまでもお客様が、店頭で受け取る商品のテストです。
これが皆さんが提供しているワイシャツの現状です。ウチは違うなんて言わないでください。このテストをしている会社の中には、名門、大手、弱小クリーニングが入り交じっているので、ほぼ平均的なデータだと思って間違いありません。
先ず、不良品率一覧表を見てください。
 

表2-2 ワイシャツテスト不良品一覧(令和2年1月)
表2-2 ワイシャツテスト不良品一覧(令和2年1月)

今回の報告では、ワイシャツの重量の変化、前立て・衿の収縮の推移、も出しましたが、ここでは不良品について述べたいと思います。
不良品で最も多いのは「毛ボコリ」です。次いで多いのが「前立てが曲がる」、同様に色々な「シワ」が付いているです。


☆毛ボコリ
・現象:毛ボコリが付着するのは、ほぼ冬期(12月~3月)です。これは、お客様がワイシャツの上にニットを着用される機会が多くなるからだと推察されます。その他の時期にはほとんど起きていません。
・考えられる原因と防止策:すすぎ不足と強制排水(中間脱水)の誤った 利用法。
先日、ある集会に出て話したところ、すすぎ2回という方が半分おられました。昔の指導書によれば4回すすぎが標準とされています。 強制排水を持ってしても2回は少ないです。
また、洗浄後そのまま強制排水を行う方が多くおられましたが、浴中に浮遊させて廃棄したい毛ボコリを、遠心力で布地の中に押し込んでしまうことになります。強制排水は通常のすすぎの後に行ってください。


☆前立ての曲がり
・現象:同じワイシャツが時に曲がって仕上がり、時に真っ直ぐ仕上が ると言うことは、セットをする方のミスと云えます。
・防止策:作業マニュアルを確立し、その作業手順であれば曲がらない、
誰もが同じ作業手順をするようにする。
ワイシャツをボディに着せたら、ネックを止める前に、肩を整体させる・脇やや後ろを軽く引く動作が行えれば曲がりません。(胴を極端に絞ってあるワイシャツは曲がります)


☆シワが付く
・現状:シワは、①衿先に付く。②脇に出る。③カフスに出る。④ポケ ット周辺、前立て周辺にでます。
①及び②はセットミスで、①は衿をセットする時に衿先を強く引 き過ぎると置きます。特にフラシ芯でよく発生します。
③及び④はパッドの摩耗が原因です。希に機械が古い場合は、スプリングマットの損傷でおこることがあります。特にカフスの真ん中に袖口から肩の方向に大きくでるシワは、これが原因です。
以上簡単に、まとめてみました。参考にしてください。

 

これは何という生地ですか?

妻が、ある老婦人に頼まれて作った部屋着の生地です。
 

写真2-3
写真2-3
写真2-4
写真2-4
写真2-5
写真2-5

正しいサイトグラスの見方

ドライクリーニング機には「サイトグラス」が2基必要です。これは、フィルターの仕事(清澄)が終わったことを知るためにです。
サイトグラス1は、洗浄時ワッシャーからフィルターへの途中に、ワッシャーの汚れた液が通過するのが見られます。サイトグラス2は、フィルターからワッシャーへの途中に、清澄された液が確認出来ます。
洗浄とは、この両者のサイトグラスの透明度が一致した時、ワッシャー(衣服から)から汚れが出ない状態だと確認出来た時です。
写真は、デジセンと云ってサイトグラスに溶剤透過率計を設置、サイトグラス1とサイトグラス2の数値が一致したら洗えたと循環(洗浄)を止めるように出来ている機械です。
 

写真2-6 デジセンのサイトグラス
写真2-6 デジセンのサイトグラス

現代のドライクリーニング機器でここまで出来ている機械はありません。それどころか、サイトグラスが一つしか無い機械が大半です。
最近では、衣服が昔ほど汚れていないから、短時間処理(洗浄)を行うため、サイトグラスは必要ないという乱暴な理屈を聞かされます。
短時間洗浄で、液中の汚れをフィルターで取りきれないから、ベースタンクに汚れが溜まり、水・バクテリアの影響から腐敗臭がするような結果を生むのです。洗浄時の液の循環は最短15分は必要だと言われています。

 

 

キレイになりました

先日、カフスの横にべたっと醤油を付けてしまったワイシャツを、クリーニングに出しました。写真2-7。

 

写真2-7
写真2-7
写真2-8
写真2-8
写真2-9
写真2-9

写真でよく見ると、醤油だけで無く袖口にも何か付いていました。写真2-9。最近は、チョットしたシミでも直ぐに「別途シミ抜きを」と言われるのですが、幸いこの時は何も言われなかったそうです。
クリーニングでキレイに取れてきました。写真2-9。
元々、クリーニングに出す前日に付けた醤油のシミ、普通に洗って落ちて当たり前です。このシミを見て「別料金を取る」というのは、普通の洗い方がおかしいとしか言えないのです。店員さんにして見れば、過去似たようなシミで落ちてこなかったので「別途シミ抜きを・・・」と言うのだと思うのです。
洗い方が悪いのか、店員さんの判断力が不足しているのか。この手のシミで「別途料金を」と云う前に大いに反省してください。

 

ページトップに戻る