クリーニングのトータルコンサルティング
2019年10月08日
10月1日(火)。ホテルプラザ神戸におきまして、開催することが出来ました。
会の本来の趣旨から少しずれてしまった、ここ数年の反省の上に立って、私が共感できる、知りたい、身近な問題を取り上げて、懇親会で活発な意見交換をという形を取れるように心掛けました。
※会の内容、及び、感想については、毛利レポートに掲載する予定です。
「変革が求められているのです」 株式会社オフィス毛利 代表取締役 毛利春雄
時代は企業に変革を求めているのです。同じクリーニング業といってもファンのつかみ方、サービスの提供方法、衣服のケアの提供、顧客への接点の違い等々いくらでも独自性は出せると思うのです。
業界も、デフレ社会の弊害「安い」が全てであるかのような状態に陥りかけているのです。お客さまにとって「安い」ことは魅力です。しかし、機器を作って販売しているわけでは無いので、同じモノが安く提供されているわけではないのです。
どこかで「手抜き(分からなければ何をしても良い)」をする事になるのです。これが、お客さまから見ると「何処に出しても一緒」と言われてしまうのです。
こんな中、以下をサブテーマとしました。
・独自の路線を
・本質を見失わないで
・業界にもM&A
・視点を変えれば
写真5 基調講演をする私 |
「剣道防具を洗う」 有限会社大佛クリーニング 代表取締役 露木幹也
剣道着を着て、お話しされました。ご自身が剣道教士七段で、剣道が好きなのです。実はお話しは30分ぐらいで物足りなかったようです。
そもそも奥様が、露木社長が剣士であることを知らないままに、子供に剣道を習わせたことがきっかけで、剣道の防具が「クサい」、「あなた、クリーニング屋さんなんだから何とかしなさいよ」からのようです。
彼自身も、これをきっかけに剣道を復活、現在の地位まで上り詰めたようです。
実は、日本でも世界でも、剣道の登録人口は柔道の登録人口よりも多いのだそうです。何とかこの人達に、防具が洗えるということを知ってもらおうと、自身が剣道大会に出かけ、そこでメディアと知り合い、販促活動を続けられてきたそうです。
途中、インターネットとの接続が悪く、お話しの腰を折るような結果となってしまい申し訳ありませんでした。色々と防具(コテ)や木刀を用意して来られたのですが、使う間がなかったようです。
写真6 剣道着を着て話される露木社長 |
「クリコムの誕生」 カラキヤ洗染株式会社 代表取締役 川村昌大
外交専門の「カラキヤ」で育った社長は、販路を広げようと色々と模索していくなかで、今日の「クリコム」に至りました。
常々、外交という制度は「訪問を望む客が減っている」「現在の外交員が高齢化して居る」「外交料金は高い」等々と言われて来ました。この分野では、外交システムを安く、お手軽に展開するとした「ママ号」「フランセ」等の展開もあったのですが、店舗料金よりも安くすると云う元の設定に無理がありました。
私は、こんな中、タブーを打破して展開される「クリコム」に、とても注目していました。
写真7 クリコムについて話す川村社長 |
「紳士服整形仕上げの基本」 一般社団法人日本テキスタイルケア協会 代表理事住連木まさし
三島良弘氏が写真、イラストをふんだんに使い書き上げた、紳士服の作り方を勘案した仕上方法という書で、日本テキスタイルケア協会の住連木氏の強い要請によって作り上げられた本です。
これを、住連木氏がクリーニング業者、特に衣服のケアという視点をお持ちのかたは必見であると、内容紹介をされました。
私も、拝見しましたが、知らない部分も多々ありました。このまま仕上げしたら、1着仕上げるのに何時間もかかるということですが、着崩れている部分の確認(修正箇所の確認)、洗い方の技術(洗いで崩れないように)、機器の仕上げ等々と組み合わせて、現在の仕上げを今一度見直す良い機会と考えました。
仕上げを志すものなら、一冊は手元に持って時に見返す本だと思いました。
「キズ、虫穴直します」 紬かけつぎ店 代表 岡野晃兵氏
かけつぎは、衣服のファストファッション化に伴って、年々需要が減っています。決して魅力のある職業とは言えない上に、永い間の修練によってようやく独り立ち出来る職人仕事は、後継者がいないのです。
クリーニング業界では、少なくなったとは云え需要はあるのです。しかし、腕の良い職人は極端に少なくなっています。
こんな中、「紬かけつぎ店」と知り合うことが出来たので、公開講座の中で自己紹介をしてもらいました。
「企業が立ち行かなくなったとき」 元ミセスクリーニング 現(株)ミセススクリーニング 代表 井筒敏文
フランス屋本部からのM&A受け入れたミセスクリーニング。この会社の独立から、今日までの経緯、会社が立ち行かなくなった事情、フランス屋本部さんとの交渉を話されました。
元(株)交栄からの分離独立と云う形で出来上がった会社で、いわゆる取次店を傘下にした会社です。従って、営業経費が変動費という利点から容易に会社運営が出来てきました。
しかし、あるとき周り(店舗)を見ると、店主は年齢が高く、店舗は手入れのされない状態で、売り上げは典型的な右肩下りとなっていました。
こんな中、銀行からの短期借り入れで乗り切っていた会社運営に対し、
銀行からの貸し渋りにあいはたと壁にぶち当たりました。
いよいよ切羽詰まっていたときに、ジャヴスの木村さんを通して、フランス屋本部の天崎顧問と知り合うことができ、今日を迎えることが出来ました。
以後の話は、次のフランス屋本部の天崎顧問から詳しいお話しがあると思います。
写真10 独立からM&Aの受け入れまでを話す井筒顧問 |
「フランス屋本部のM&A」 株式会社フランス屋本部 顧問 天﨑 稔
株式会社フランス屋本部は、今日までに(株)東洋クリーニングと(株)ミセスクリーニングの二つの会社をM&Aで受け入れました。
(株)東洋クリーニングは、始めは自主再建を目指して会社に携わらせてもらったのですが、次から次へと明るみに出る負債に、自主再建を諦めました。
難航した金融機関との折衝を経て、M&Aの道を選び、スポンサーフランス屋本部にお願いをして、今日に至りました。
また、(株)ミセスクリーニングは、貸借が明確になっており、取次店方式に頼りすぎた構造上の欠陥がはっきりしていたので、この点を井筒氏と話し合いフランス屋本部の支援を受け入れ、M&Aに至りました。
フランス屋本部としては、企業は地域社会のものであり(お客さま、従業員)、立ち行かなくなった場合は、出来うるだけ支援をしようと考えています。今後とも、何かの折には一声掛けていただければ、ご相談に応じるつもりでおります。と言うお話しでした。
写真11 今までのM&Aのをかたる天﨑氏 |
「お客様との信頼関係の構築による売上の創造」 株式会社ウインドプラス 代表取締役 菅 俊介
クリーニング業にバラ色の未来はないのか?。と云う演題で始められたお話しは、「先ず、お聞きしたいのですが『クリーニングが好きです』という方はどれぐらいおられますか」という語りかけがありました。
クリーニングを異なる視点から「需要は減る?」。「クリーニング業の値段設定と家事代行業の値段設定」。「クリーニングに出すのは不安と話す異業種の経営者さん」と例を上げて話されました。
ヘアーサロン、エステショップ、クリーニング店と例を上げながら、自身のコンサルタントの経験を話されました。
最後に『理念の確認』。志のない人(経営者)が何を訴えても、お客様には通じない、継続して仕事を続けることが出来ません。何をしたい(理念)と指針(手順)を示すことが出来なければ場当たりの仕事になります。
自社の問題解決の近道は、『有能なスタッフの困りごとを解決する』、『お客様の声を取り入れること』です。と話されました。