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サービスニュース-第55巻 第8号-2(シミは落ちる)

2019年08月06日

シミは落ちる

先日、クリーニングの理論と実際の勉強会の講座で、私と中島講師が強調していたことは「付いて直ぐならシミはほとんど落とせます」。
要は、シミは付着・粘着から固着・染着へと変化するまでの間であれば容易に落とすことが出来ます。
早ければ早いほど簡単に落とせます。早ければ、さしたるシミ抜きの技術が無くても、判断力(シミ抜きの対応手順)さえあれば容易にシミは落とせます。
古くなったシミが「落ちる」「落ちない」と云う話をするよりも、この点をお知らせすることが出来れば、本当の意味の衣服のケアとなるのです。どうお知らせするか、判っていただくか日頃の啓蒙を考えてください。
写真は、三幸社で勉強会を開いた時の、中島講師の実技研修と参加メンバーの方々です。


※話は変わりますが、中島講師の話、とても判りやすかったです。こういう場ではなく、カウンター、仕上げの方達にこういう場を設けて聞いて欲しいものだと思いました。
 

写真1-1
写真1-1
写真1-2
写真1-2
写真1-3
写真1-3

感心しました

先日、TCCの集まりでH社を訪問しました。その際、お邪魔した店舗の在庫を見て驚きました。写真2。
 

写真2 商品出来上がり在庫
写真2 商品出来上がり在庫

2段ストックレールですが、上の段には数点しか掛かっていませんでした。お店にあるドライの出来上がり商品の在庫は見えているだけでざっと140~160点ほどです。
聞くと年商1900万円とのことでした。6月で普通、この売上ですと回転の良いお店で(1点単価、450~480円)、320点、悪いと500点ぐらいあります。
お店の方の接客トークを聞いてみたくなりました。感心しました。
 

きれいになるわけ無いでしょ!!!

最近、クリーニングのカウンター従事者に、家庭洗濯の実情と業務用洗濯との違いを判ってもらおうと、洗剤を調べたり、機械の洗浄工程を調べました。
元々家庭洗濯では脱いだ服を直ぐに洗う(汚れが固着しないうちに洗う)、という最大の利点があるので、その他の機器、洗剤の少々の不備はカバーしています。逆に云えば、家庭洗濯は弱点だらけなのです。
このように考えていたので、家庭洗濯の問題を話し合うことはありませんでした。しかし、このような事情から、色々調べたり、話し合ったりすると、こんな結論になるのです。


『きれいになるわけ無いでしょ』
曰く・ワイシャツ洗うのに15分~20分、家庭洗濯で9分とか12分と かで工程が組まれるのです。きれいになるわけ無いでしょ。
曰く・俗に洗剤濃度0.1%は必要と言われますが、家庭洗剤を指示通り投入しても0.1%に満たないものがあります。さらに、界面活性 剤は洗剤内の15~ 25%です。きれいになるわけ無いでしょ。
曰く・業者は、50度以上で洗うのでしょ、家庭洗濯は水ですよ。きれい になるわけ無いでしょ。
曰く・省エネなのか知りませんけど、最近の家庭洗濯機はやたらと使用水量が少ないのです。パルセーラータイプで攪拌式でも無い限り、被洗物が動かない(洗えてない)。きれいになるわけ無いでしょ。
曰く・ドラム式洗濯機で叩いて洗ってる?。嘘でしょ、あの短い直径のド ラムでは叩けないでしょ。
曰く・斜めドラムは仕事がしやすい。出し入れはしやすいですが、被洗物は斜めには回らないのです。物は上から下へ落ちるのです。だから 負荷量通り洗うと被洗物が絡まって、ダンゴ状になるでしょ。きれいになるわけないでしょ。


※そこで、汚れの酷いときは洗剤に浸けておく、別な洗剤で前処理をする 等々の処置をするように書かれています。
さらに、洗剤にも仕掛けがあって、一見似た風袋(荷姿)の洗剤ですが、内容量が違うので、安い価格の商品が、実際に投入量で換算すると高くなる例も多々あります。

 

<家庭用洗剤簡易比較>      

名  称 界面活性剤料 水65Lあたり使用量の目安 水65Lあたり使用量の価格 100gあたり価格
アタック(花王)    22%        60g 19.1円 31.8円
トップ(ライオン)    15%        75g 24.8円 33.1円
ボールド(P&G)    14%        74g 29.5円 39.8円
ビーズ(花王)    21%        64g 18.3円 28.6円
アタック・液洗    59%        24g 19.7円 82.0円
トップ・液洗    56%        22g 16.5円 75.1円

  表1.使用(投入)量からみた洗剤価格 

設計者は恥ずかしく無いの

ワッシャードラムの鏡版(奥側)のへそ、私はこれを見る度に若い頃にクリーニングを教えてくれた方々のありがたみを知るのです。
鏡板の「へそ」は、ドラムの回転中に商品をダンゴ状にしてしまい、洗えない、取り出しにくい、引っ張るので破れやすいと教えられました。選択をするときには、出来れば「へそ」の無いワッシャー,でなければなるべく「へそ」の小さなワッシャーを選択するように言われました。
現在は、使用者の方がワイシャツの結束、ネットの利用によってこの問題を解決しているのです。今でも「へそ」が解決されたわけでは無いのです。ワッシャーは同じような形状で作られているのです。
写真3-1,3-2、鏡板に見えるワッシャーの「へそ」。斜めから見ると写真3-3。
 

写真3-1
写真3-1
写真3-2
写真3-2
写真3-3
写真3-3

かって鏡板の平らなワッシャーとして、ワシェックスとサンヨーがありました。実際これらで洗い上がった商品は、全体がほぐれていて出しやすかったです。
なぜ、現在のワッシャーの設計者は、この事実と向き合おうとはしないのでしょうか。選択するほどワッシャーのメーカーが無くなってしまいどんな機械でも売れるから?。とは思いたくないのですが。

 

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