クリーニングのトータルコンサルティング
2019年05月31日
ファクトリエから「今治タオル地のシャツ」が販売されると聞き、早速購入してみました。
開封してシャツを見た時、仕上時のシワがある状態で、これは仕上は出来ない・しない方が良いと感じました。元々カジュアルシャツとして作られたものなので、洗いざらしでの着用で良いのでは無いでしょうか。写真1-1,1-2,1-3。
最初に、手にとったときの感触は「優しい」というもので、着用時の肌触りはバツグンでした。
早速、着てみました。普通のシャツと違い「優しく包まれている」というような着心地です。着用後2日目のシャツの様子です。思わず統子に「触ってみて」と腕を突き出しました。第一声「わオ!」「これ綿よね?」でした。今治タオルと言うと「ふーん」という答えでした。
着用後2日後の写真が2-1,2-2,2-3です。
なお品質表示は組成繊維は綿100、。取り扱い表示は、40℃洗浄・酸素系漂白剤可・タンブル乾燥可・高温アイロン可。となっています。しかし、付記事項では「ネットに入れる、糊付けはしない、干す時に引っ張って干す、高湿アイロンはお避け下さい」とあります。40℃で洗えると云うことと、ネットに入れるは矛盾しないの?。写真3-1,3-2。
☆ところで、この商品クリーニングに出されたら、カウンターでどのような対応をされるか心配です。もし、「仕上げをしない、洗いざらしのような仕上がりをさせていた だきます」と言ったら最高なんですが、黙って受け取って、アイロンの当たりが出た状態で帰ってきたら最悪なのです。怖 くてテスト出来ないのですが。
クリーニングで糊が「硬い」「柔らかい」と「立つ」「立たない」とは意味が違うと思うのですが、同じように考えている人が多いように感じられるのです。
確かに、糊の立っていないワイシャツは柔らかいのですが、糊が立たないと生地にツヤが出てこないのです。また、蒸気圧が低い、または、プレス時間が短くて乾いていない場合このような現象が起こります。
綿・ポリ混紡商品、接着芯地使用のシャツでは、乾き時間が早いのでこの減少が起こりにくいのです。
この違いが顕著に表れるのが、綿100%・フラシ芯のシャツです。違いは顕著に表れるのですが、写真に撮ると意外とはっきりしないのです。何とか見える形に出来ないかと努力しました。
写真4-1 糊が立っているシャツの前立て |
写真4-2 糊が立っていないシャツの前立て |
この写真だけで判るでしょうか。実は多くのクリーニング屋さんのワイシャツが「写真4-2」の状態なのです。何とか違いが他の形で見えないかと、デジタルマイクロスコープで見てみました。
4-3 糊の立っている生地のデジタルスコープの映像 |
4-4 糊の立っていない生地のデジタルスコープの映像 |
商品と重量について
玉井さんから、ワイシャツの重量を測定時には、温度・湿度の環境確認が必要と指摘がありましたので、温湿度の差が測定値に影響が出るほどなのか、幸い過去の温湿度は測定してありますので、その後まだ着用していないシャツを今日測定してみました。
サンプル | 日付 | 気温 | 湿度 | 重量 | 重量差 |
HY社 | 5/19 | 18℃ | 72% | 227.7g | 1.0g |
5/25 | 29℃ | 42% | 226.7g | ||
HD社 | 5/19 | 18℃ | 72% | 226.9g | 0.5g |
5/25 | 29℃ | 42% | 227.4g | ||
FR社 | 5/19 | 18℃ | 72% | 244.1g | 1.0g |
5/25 | 29℃ | 42% | 243.1g | ||
HS社 | 5/19 | 18℃ | 72% | 244.1g | 0.6g |
5/25 | 29℃ | 42% | 243.5g |
・簡単な比較ですが、0.5~1.0gの差と出ました。最大で0.4% の差と考えると、のり付け(量・時間)の差、プレスの乾き具合の差の方が大きいので、この差(温湿度による差)は無視して良いのではと思うのですが。
・また、測定の多くは早朝行いますので、ブログの記録として取っている温湿度データがそのまま実験環境の記録となると思います。
・ただし、別の問題として、衣料品と温度・湿度と重量の関係について基準を求めることは意義のあることだと思います。
何方か研究をしてくれ ると助かるのですが。