クリーニングのトータルコンサルティング
2018年12月03日
大阪駅の連絡通路から外を見ていたら、ダイキンの電光掲示板に「温度22℃」「しつど59%」とありました。天気予報でもあまり湿度の話は出ませんが、ブランド品を多く扱うクリーニング業者にとっては、シビアになるのです。
最初は、何が出ているのかハッキリしませんでした。(写真2-2)
チョットズームアップしてみると。(写真2-3)
よく見ると「温度22℃」。(写真2-4)
もっとアップで「しつど59%」(写真2-1)
先日、九州の会社で、ジャンパーの袖にテープを剥がした跡のような状態が見られました。(写真2-5)
お客様は当然「クリーニングに出す前にはなっていなかった」と言われます。クリーニングでハッキリとしたのでしょうが、形状が縫い目の内側にまで続いている事から、クリーニング以前・反物の時にあった形状だと考えられます。生地に使ってはいけない部分を使ってしまったか、洗うまでこのようにはっきりと出てくるとはわからなかったのだと思われます。
メーカーに連絡したら、無償交換すると云う話でした。と云うことは・・・すんなり交換という話になったのは、他にもクレームがあったのだと推察されます。
こういう質問を、2度続けて受けました。(この話、どこかで書いたような気がするので、読んだことのある人にはゴメンなさい)
こういう質問を受けて、気付いた事が二つあります。
一つは、こういう質問を身近な人から受けるということは、布団が洗えるって知らない人が、以外と多いのでは無いかということ。
では洗われている布団は全体の何%ぐらいなのか、と思いました。逆に、洗われていない布団はどれぐらいあるのだろうか?、と云う疑問です。
採算の取れているクリーニング店、1店舗の顧客数は、700人~1,000人と推定されます。(単価により異なります)
この方々が、1年間最低2枚の上布団を利用するとしたら、1,400枚~2,000枚の布団が使われています。
この内、10%の方がクリーニングを利用されているとして、1店舗から140枚~200枚がクリーニングに出されるはずです。しかし、現実には布団どころか寝具類としてもこれほど出されてはいないと計算出来ます。
ということは、今現在クリーニングに出されている布団は、氷山の一角でまだまだ需要は見込めるということです。カウンターセールスの腕の見せ所では。
ここで、大切なことは値引きでは無いのです、洗えることを知らないのですから、『洗えること』『どれほど汚れているか知らせること』『どれほど気持ちが良くなるか』を伝える事なのです。
気付いたら神戸に移ってから、クリーニングのカウンターで商品を出した時に「お直ししておきましょうか」とか「修理します?」と勧められたことが無いのです。
私は、必ずしも自分で出しに行きません。ただし、お願いしている山野さんには、「カウンターで勧められたことは全て受け入れてください」と伝えてあります。
この他、デラックス(呼び名は会社によって異なると思います)、撥水等もあまり勧められたことはありません。よく勧められるのは「シミ抜き(有料)」だけです。
私は、同じ服を比較的永い間着用します。このため、ほとんどの衣服が傷んで着用出来なくなります。なので衣服の最後の頃は、どこかが傷んだ状態でクリーニングに出してます。
ズボンの裾、後ろのポケット口、ジャケットの袖口の裏等の破損。ボタンが取れそうな状態、袖裏脇の下の破れた状態(これは、カフスボタンを引っ掛けるため)等々ご多分に漏れずです。しかし、「キズがありますね」とか「キズご存じですか」と言われることはあっても、「お直ししましょうか」とは言われたことは無いのです。
カウンターはキズを発見して、お客様の確認を取り、クレームの防止に躍起になっているだけで、カウンターセールスには興味が無いのです。経営者は、カウンターセールスで「キャンペーン」だ「セール」だと言ってますが、ここで押し売りをするよりも、他に出来ることがあるのでは無いでしょうか。
写真2-9は、ズボンの後ろポケットの端が破れた状態です。
写真2-10は、ミシンで叩いて補修した状態。外には履いていけませんが、家の中なら充分です(2-9とは違うズボンです)。
写真2-11は、ポケット口の上から、共布で蓋をしたようにリフォームし た状態。このズボンは、私が言うまで気付いた人はいません。中には「どこかおかしいでしょ」と言っても指摘されないこともありました。(2 -9とは違うズボンです)
写真2-12は、ズボンの裾を上げた修理。
写真2-13は、ズボンの腰裏の破損部分を他の布(縦縞の布が元の布、 無地の布が補修に使われた布)で補修した状態。
これらの商品を含めて、ズボンの裾の補修、腰裏の補修、ジャケットの裏地の交換等、リペアー、リフォームすべてお直し専門店で直しました。