クリーニングのトータルコンサルティング
2018年03月28日
ある工場で、店舗に返品しようと置いてあった「シームレスダウン」を見ました。
明らかに一部の貼り合わせ部分が膨らんでいて、いまにも外れそうでした。洗えば確実に破損していたと思えるものでした。
このような商品を見ると、やっぱり洗えないなという気持ちと、受けてしまったカウンターは「工場で洗えないと言っていますので」と断るのだろうなと思い浮かぶのです。
店舗の方は、工場に責任を転嫁出来たような気になっているかも知れませんが、お客様にとっては一度受けてくれたに、という不信感はぬぐえないのです。
本来始めに「シームレスダウン」はこれこれの事情で、クリーニングはお断りしています。と言い切っていただいた方が、ずっと話が早いのです。カウンターを強くしてください。トラブル防止にはこれが一番近道です。
写真2-1,2-2は着用後のシームレスダウンです。写真2-3と比べるとシームレスとされる貼り合わせ部分が、着用前はハッキリとしていますが、着用後のものは一部剥がれているのが解ります。
写真2-1 着用されてクリーニング前のシームレスダウン(1)
写真2-2 着用されてクリーニング前のシームレスダウン(2)
写真2-3 新品のシームレスダウン
店舗のガラスにベタベタとモノが貼ってるのは見苦しいのと同様、工場でもようの無いもの、ようの無くなったものが放置されているのは汚らしくてなりません。
どちらも掃除をしていれば、どのように処置すべきか答えはすぐに出せると思うのですが。
掃除はしている方も気分が良いかもしれませんが、見ている方も気持ちの良いモノです。
写真2-4 朝、スリックレールをシリコンで掃除しているところ。
写真2-5 日中、時間が空いてワッシャーを掃除しているところ。
写真2-6 洗剤と漂白剤、あえて壁から離して置いてあるのですが、 このように置くと床が汚れるとすぐ掃除をします。
今月3月12日~配信しました特別通信講座「マニュアルを作る」の第4、第5,第6講座(講師・井藤みどり)を、2月27日に三宮のレンタル会議室を借りて収録しました。
今回の通信講座を企画したのは、余りにも各社が「マニュアル」が無い故に各人がばらばらな作業をし、そのために、品質に安定を画いているという事例の多さを知ったからです。
少しでも、品質の安定、作業の効率化、工場能力のアップにつながればと企画したものです。
でも、今回この講座を開くに当たって募集をしたら、応募者はいたって少数でした。このことは、多くの経営者が「マニュアルの大切さ」「マニュアルのすごさ」を知らない事による結果だと、残念に思いました。
口では「うちの生産性は」などと話しているのですが、生産性の3大要素『ロット体制の確立』『要員シフトの実施』『作業マニュアルの必要性』のどれにも本気で取り組んでいるとは思えないのです。早く気付かないと置いてきぼりとなるのですが?。
写真2-7 髪を振り見出して収録する井藤みどり。
写真2-8 私は、早朝4時過ぎから、事務所で収録しました。
昔から疑問に思っているものに、取り扱い表示は何を基準に付けられているのか、という事です。基準の曖昧さが、とんでもない表示となったり、判断を鈍らす表示となるのです。
新しい表示では、間違った表示には責任を取らなければならないようになったので、今までみたいには安易には付けてこないだろうという、期待はあります。
チョット自分が身につけている商品の表示を見てみました。
写真2-9 シルクのネクタイはドライクリーニングオンリー。
写真2-10 シルク・ウールのコートはドライクリーニング。
しかし、写真2-11の商品、出来ればランドリーまたはウエットクリーニング(可)の表示、ドライクリーニング(可)の表示が欲しいのです。何故ならば、生成りの商品ですので、長い間着用すると汚れが目立ってきます。この時ドライクリーニングだけでは汚れが取りきれないのです。こんな時の判断材料のためにも、せめてウエットクリーニング(可)の表示があってほしいのです。