クリーニングのトータルコンサルティング
2018年03月28日
表題のように話されるのは、セブン・ドリーマーズラボラトリーの阪根社長です。
2019年、洗い上がった洗濯物をポケットに入れると、自動で畳んで仕分けをしてくれる機械「ランドロイド」が発売されます。販売予定価格は185万円~。
将来的には、洗濯・乾燥・タタミ・仕分けが出来るオールインワンタイプ、さらにその先まで考えておられるそうです。
テレビでデモ機を見ましたが、キチンと畳まれていたので、実用化は早いと思いました。
また、AIなので学習能力があるとの事なので、サイズの標準化、規格化がすぐ出来ると思いました。そうなると、Wash&Foldあたりはすぐにでも採用しそうです。
クリーニング業界では聞く事の出来ない、面白い発想の機械です。でも、このようにAIが見せてくれる世界は、私達が気づかない、知らない世界となるようです。
あなたは、乾いた衣類の山を投入して、スタート操作をするだけ。 ・ランドロイドの作業プロセス |
※セブン・ドリーマーズラボラトリー株式会社
別珍、ベルベットの仕上げ用当て布として「ナイロン針の布」が使われるのは多いのですが、昔どこかで「ステンレスの針の布」を見ました。
ナイロン針の製品、単純に仕上に用いる分には不足は無いのですが、折れてしまった部分の修正という事になると、この布では出来ないのです。
その後、ずいぶん気にしていたのですが、中々見つかりませんでした。
先日、少し時間があったのでネットで、アイロンの道具(プロフィットメッシュ、ナイロン針の布等)を探して見ました。たまたま文化学園のショップにこれがありました。
仕上に用いるのは、ナイロン針のモノでも充分なのですが、このステンレス製の針のモノを用いると、多少ベルベットのつぶれた部分を完全とは行きませんが多少なりとも、霧を吹いてアイロンで修正する事が出来るのです。針に角度が付けられているので、それに沿って進めるアイロン掛けををします。(始めてお使いの方は、必ず練習をしてから、お客様の衣服をお取り扱いください)
M(90mm×450mm),L(230mm×450mm),EL(200mm×700mm・掃除ブラシ付き)と3タイプあります。
高級当て布と称する、ナイロン製の布地もありますが、ベルベットを仕上げるのは多少無理があります。この布は、全体のテカリ防止という使い方のモノで、当たり防止という観点から行けば、プロフィットメッシュの方が、使い易いです。
写真1-1 ベルベットメイトのステンレスの針
写真1-2 ステンレス針の拡大写真
写真1-3 ナイロン針
日本クリーニング新聞に「不良品を着せるな」と題して、今、業者の提供しているワイシャツの仕上がりに、不良品(毛ボコリ、シワ、前立ての曲がり)が多いかを掲載しました。また、5月中旬までには、ワイシャツのクリーニングテストの中間発表をしようと計画しています。合わせてこの不良品についても記載する予定です。
このテストは、事務所の近隣の店舗8店舗(名門、中堅大手、中堅、安売り大手)で実施されています。
①この表で明らかなことは、不良品を出していない会社は無い、という事 です。一番少ない会社でも24%の不良品率だという事です。
②不良品の原因の筆頭は、「毛ボコリ」という事です。これは、ほとんど冬 期に起きている現象です。
③前立ての曲がりは、起きない会社では起きていないのですが、機器が異 なる、マニュアルがしっかりとしている等が考えられます。
ワイシャツテスト | テスト回数 | 不良品率 | 不良品総数 | 前立曲 | シワ | 毛ボコリ | その他 |
1.HR | 33 | 33% | 9 | 1 | 1 | 9 | - |
2.HD | 26 | 28% | 7 | 4 | 0 | 1 | 2 |
3.HS | 13 | 54% | 7 | 1 | 3 | 5 | 2 |
4.FY | 29 | 24% | 7 | 0 | 3 | 7 | 1 |
5.HY | 12 | 42% | 5 | 4 | 2 | 3 | 1 |
6.CC | 25 | 28% | 7 | 0 | 7 | 1 | 0 |
7.HK | 14 | 57% | 8 | 0 | 3 | 5 | 1 |
8.JJ | 10 | 60% | 6 | 0 | 6 | 4 | 2 |
Ave. | 162 | 35% | 56 | 10 | 25 | 35 | 9 |
※不良品総数は、同じシャツに不良点が複数おきた場合1点としています。
表1 ワイシャツの不良品データ
先日、ネットで家庭洗濯機の洗浄方法を書いたものが無いか探して、カデンプラスを見ていたら、下のような絵が出てきました。
業務用の内胴回転式はお説の通り「タタキ洗い」なのですが、家庭用の内胴回転式では、内胴が小さすぎて洗濯物を落下させるだけの距離が取れないので、タタキ効果は出せません。従って、図のような説明は成り立たないのです。
家庭用の洗濯機も内胴回転式だから「タタキ洗い」とは行かないのです。一般的商品(ワイシャツ、Tシャツ類)をタタキ洗い(圧縮効果)とするには、直径650mm程度は必要なのです。
ヨーロッパの家庭洗濯機(内胴回転式)では、水深度を高く取って(水を多く入れて)、攪拌式の洗浄方法が取られています。
尚、最近の省エネ型洗濯機はいざ知らず、図右の噴流式の洗い方を「攪拌式」と称していますが、この洗い方はどちらかというと「摺動式(泳がせ洗い)」といえるのでは無いですか。
共生社のポスト(コンパクトボックス)の話のついでに、先の丸いタグの話が出ました。
タグの先を斜めに細くしたものはありましたが、先の丸いのは始めてお目にかかりました。
クリーニングの経営者で、従業員が少しでも作業しやすくした方が利益につながると考えている方は少数派です。従って、このタグの良さを理解して使おうとする方は少ないと思います。もしこのタグが理解出来るなら、先の細いタグももっと利用されていると思うからです。こういうことが解るようになるには、仕事に対する向き合い方が変わらない限り無理なのでしょうか。
過日、「店員さんのストレスを少なくする事が、売上をあげる大きな要員だ」と言われていたのを思い出しましたが、このように考える経営者が少ない事にクリーニングが伸びない原因があるのかも知れません。
写真1-5 先の丸いタグ(共生社) |