クリーニングのトータルコンサルティング
2014年10月01日
おかげさまで昨年同様の盛況となりそうですが、なにぶん経費高騰・講師陣の充実のため、出来れば昨年以上の参加をお願いしたいのです。
ご出席の方はご存じのように「公開講座は必ずや得るものがある」と評価されています。つきましては、お知り合いに強くお誘い・参加を働きかけていただき1人でも多くのご参加をお願いするものです。
昨年の公開講座の風景 |
最近新たにお付き合いを始めた各社は、蒸気に関して共通の問題点があることが解りました。
各所に供給される蒸気圧が不確実で、熱源としての蒸気(ランドリーの仕上げ、乾燥機への供給)、仕上げとしての蒸気、さらに、アイロンへの蒸気の供給等々、圧力が簡単に言えばバラバラです。
通常、蒸気圧はランドリープレスには0.7~0.8MPs、ドライの仕上げには 0.4~0.5MPs、アイロンには0.3MPs、乾燥機には0.3MPs、ランドリーのワッシャーの蒸気は0.2MPsといわれます。
従って、ランドリープレスが安定した作業をするためには、ボイラー設定圧が0.8MPs近辺で無ければなりません。さらに、多くのボイラーが3点制御です ので、下限設定が問題となります。下限設定圧が0.6MPsであれば機器では0.6MPsで仕事をすることになり、これが0.7MPsならばこれで仕事を することとなります。
ボイラー設定圧が比例制御、または、これに近い使い方が出来れば、0.7MPsなり0.75MPsなりであれば、機器での圧力も同様に近い圧で使用できることになります。
最近のボイラー圧の上限は1.3MPsですので、設定の方法によって上記の問題に対処できます。ただし、従来のボイラーは上限が1.0MPsです。
これらを考えながら、実際のワイシャツプレスの測定結果を見て下さい。
蒸気圧と表面温度 |
A社・E社とB社・D社の違いを見て下さい。前者は150℃余(2750KJ/Kg),後者は170℃(2770KJ/Kg)を示しています。
例えば、機器は異なりますが、この4社のカラーカフスプレス機の加圧時間は23秒とほぼ同じです。しかし、B,D社の衿は乾いていますが、A,E社の衿裏には湿気が残っています。
ちなみに、B社の仕上げ枚数は、ワイシャツ平面仕上げ(プレス、たたみ、包装)で、40枚/人/時以上を示しています。この中には、いわゆる手直しという作業も含まれています。
また、A社、C社、E社がボイラーでの蒸気圧から推定される温度より、機器での表面温度が10℃以上開いているのは、配管のミス、トラップ選定の誤りからだと思われます。
これに対して、ドライクリーニングの仕上げ機には0.5MPs、乾燥機、アイロンの使用圧力は0.3~0.35Mpsが望ましいのに、減圧せずに使われている例がありました。
さらに、①ボイラー容量の不足から時に汽水(缶水)が上がって、すでにドレンの多い蒸気を供給している。②配管の位置関係(ヘッダーから管末へは下り配 管、ドレン管はドレンタンクへ下り配管)、配管途中の凹み(ステイの間隔が広い)が正しくない。③各機器に適切な蒸気圧が与えられていない。④適切なト ラップが選定されていない。
等々から、蒸気が適切に使用されていない、仕上げに不備が生じている、作業速度が遅い現象が現れています。