クリーニングのトータルコンサルティング
2017年11月01日
おかげさまで「第18回 毛利春雄セミナー公開講座」無事に終えることが出来ました。ご参加下さった皆様の、一助になれば幸いです。
今回のテーマ「全てはカウンターから」は、現在のクリーニング業にとって、最も弱点とされている所です。
お客様に商品を持ってきて頂かなければ始まらない商売で、カウンターこそ全ての起点なのです。ご来店→接客→検品・確認・相談以下クリーニング業務が始まり、商品をお渡しして帰結するのです。
そして、多くの問題はこのカウンター(起点)での、検品ミス、確認のミス、納期の確認ミス、選択(洗浄方法など)の有無によって起こるのです。このように、多くの問題が含まれているのですが、安易に取り組まれているのが実情です。
この日は、これらの点を5人の講師の方が、横から見た(道路に並んで待たせる、急いで雑然としているカウンター等)接客の危うさ、わかっているはずなのに徹底できない(掃除、整理)店内、将来の業界の方向、働く人の心理等々多くの事を語って頂きました。
尚、この日の講師の方々の資料(プロジェクターで表示された)を、毛利レポートに2回に分けて掲載します。
当日は、途中帰られた1席のみが空いた状態で、後から来られた方は後方での聴衆となる盛況でした。
第1講座
内容を振り返って見られたい方は「毛利レポート(有料)」をご覧下さい。当日、各講師の方々が使用された表示(プロジェクター)資料を公開しております。
第1講座では、私が「全てはカウンターから」と題して、接客・コミュニケーション(笑顔、語りかけ方、態度)、クリーニングの方法の選択、商品の確認・検品。そのための環境・土台の作り方。について話させてもらいました。
写真1-4 毛利春雄 |
第2講座
第2講座、「クリーニング店に思う事」と題して、徳田二朗氏(昭和工業株式会社・社長)にお話しいただきました。
最初に、繁忙期に長蛇の列で待たされ、なお、着用したい服の方が出来上がってこない、クリーニング店で待つことは不愉快という体験談を話されました。
また、話の中で面白かったのは、多くのお店が屋号で覚えられ、呼ばれているのに、クリーニング屋の屋号は覚えられていないのです。例えば、角のクリーニング屋さん、隣の吉川(魚屋)さん、奥の関西スーパーというように呼ばれるのです。〔例はわが家での話〕
写真1-5 徳田二朗氏 |
第3講座
第3講座、「レジに携わって思う『接客』について」という題で中村健太郎氏(株式会社ライト・社長)にお話しいただきました。
クリーニングのカウンターに立たれる方は、1人で立たれることが多いので商品を覚え、お客様を覚えすごい事だと感じました。しかし、会員制を取られているのにその顧客情報処理、IT化が進んでいないことに気付きました。まだまだ変化していくのではと思いました。
この先、「人工知能の応用、発達が進むとこれに取って代わられる業として、クリーニングの取次が上げられています」、と話されました。ここでは、人工知能を利用できるように勉強・テスト・投資すべきという肯定派と人による応対・接客にこそ生きる方法がという2方向が示されたようにお思いました。
その他、知覚商品とデジタルマーケットについて話をされました。
写真1-6 中村健太郎氏 |
第4講座
第4講座、「楽しいカウンター」という題で平井英幸氏(株式会社デジジャパン・社長)にお話しいただきました。
クリーニングに商品を持って行く時、少しでも「楽しい」と感じることがあるでしょうか?。
利益を作り出す工場に対して、売上を作ることろがカウンターだと考えると、売上を作るに際して、カウンターは接客(コミュニケーション)をはかり、各種クリーニング加工等をお選びいただく(セールス)場でなければなりません。さらに、クレームの発生を最小限になるような努力が必要です。
このようなカウンターであるためには、「わかりやすさ」「加工・商品の知識」「サポート(レジ・チラシ)」「スタッフの気持ち」が揃わなくてはなりません。
さらに、お客様が喜んでクリーニングを利用できる、楽しい場であることが大切だと思うのです。
ユーゴーさんのお店、ホワイトウイングさんのお店、清水屋さんその他多くの事例を取り上げてお話しいただきました。
写真1-7 平井英幸氏 |
第5講座
第5講座、「『タグサイン』が決める仕事の質と価値」と題して槙野雅央氏(株式会社共生社・社長)にお話しいただきました。
タグはカウンターでお預かりした時から、工場〔洗浄・シミ抜き・仕上・包装〕からお店に戻るまで、唯一の情報ツールです。すなわち主タックは顧客情報のデータベストなり、補助タグは共通言語で表された「共通知識」「共通認識」「共通価値」なのです。
これらの活用の可能性をもっと広げて、顧客様の細かい要望(段返りの確認、糊の強さの選択等)、自社の強みの告知等いろいろと生かすことが出来るのではと話されました。
写真1-8 槙野雅央氏 |
第6講座
第6講座、「スタッフのやる気(やらされているをトライしてみようへ)」と題して林美里(コーティングフォレスタ・代表)にお話しいただきました。
始めに、「女性社員」五大お悩み。1.何を考えているか解らない。2.集団、派閥をつくり反論する。3.すぐ感情的になる。4.ビジネスルールがわかっていない。言われたことしかやらない。
これらは「男女の思考回路が違う」ということを認識しなければわからないのです。すなわち、女性は頭の中の「脳梁」が男よりも多いことによるといわれています。
このことは、多くの男性の思考回路は「過去」を大きく認識し、「現在」を少し考え、「未来」への段取りを考えます。
女性の多くの思考回路は、ほとんどが「現在」に共感し、考え、その後「未来」を認識するのだそうです。
さらに男性の『自信』とは、「人より優れている」ことなのですが、女性にとっての『自信』とは「多くの人と同じ事が出来る」ということなのだそうです。
これらのことから『定期的なトップとの面談』、『女性のためのセルフコーチングの導入』、『失敗を恐れさせない』、『女性だからと変な配慮はしない』、『具体的な指示をする(何時までに、何を、どれだけ)』等々について話されました。
皆さんのお話を聞くに付け、多くの課題がまだまだ出来ていないことが多くあることに気付かされます。
現状に一喜一憂しているのでは無く、足下を固めて明日に向かって「何が必要なのか」「何を為なければならないのか」考えて下さい。
さらに、懇親会の冒頭での沼崎社長の言葉には、一同呆然としていました。
№53-11-2を引き続きお読み下さい。