クリーニングのトータルコンサルティング

サービスニュース

サービスニュース一覧

サービスニュース - 第50巻 第8号-1

2014年11月01日

毛利春雄セミナー公開講座 おかげさまで盛大に終えることが出来ました

0月7日(火)ANAクラウンプラザホテル神戸において、第十五回毛利春雄セミナー公開講座を無事に終えることが出来ました。
当日は、台風一過秋晴に恵まれ、セミナー、トンボ、TCCのメンバーを中心に、90人の参加者をお迎えして盛大に開催されました。
講師の方々も一段と力が入られたようで、時間内では語り尽くせぬがと熱弁をふるわれました。

会は、井藤みどり(オフィス毛利インストラクター)の司会で、予定通り午後1時30分より講演が始められました。静かな内にも熱気にあふれ、後でどの講師の方々も、もうチョット時間がほしいと言われました。
もともとこの会では、いろいろな方々から多くの提言、問題点の提起、実際の謳歌等々の要旨を述べていただき、質疑は後の懇親会で行って下さい。
というものでした。従って、多くの質問は取り上げたことはありません。
以下講演要旨ですが、講演に用いられた資料は講師の了解を得た上で「毛利レポート」に順次掲載する予定ですのでご参照下さい。

第1講座 オフィス毛利 代表取締役 毛利春雄
『明日の自分を想像し、創造する』
若年層の人口減少、団塊の世代の引退が経済活動にブレーキをかけると言われているのは、7~8年後と言われています。これは、クリーニング業界だけではなく全産業が影響を被るのです。
ただし、8年後はすでに崖の下なのです。私達に残された時間は4~5年なのです。私が見るところ、この事態に向き合う体制が出来ていると思える企業は5%に満たないと考えられます。
売上が3割減少しても利益を出せる体質が作れるのか?、市場が縮小していく中で自社の売上を「維持する方法があるのか?、新たな集客チャンネル(電話宅配、ネット販売)が作れるのか?、  需要拡大が望めるのか、関連商品の需要によりサービスの間口を広げることが出来るのか、例えばテキスタイル・ケアへと業態変化が出来るのか。
多くの方が今のままでは生きていけないのです。従って、今と異なる自分を「創造」しなければならないのです。
大切な事は三つあります。
☆お客様を引きつける店作りをする。
☆サービス業であることを忘れない。
☆業として決して手抜き作業をしない。
今回は、この内の最初の話題として「私が選んだ床屋」を話させてもらいました。

第2講座 座談会方式で新JISを語る
『新JISの経緯と私達への影響』
代表質問・進行 日本クリーニング新聞社 主幹 坂東 護
回答者      品質情報研究所  代表 住連木まさし
  〃        株式会社不二ドライ 代表取締役 岡崎善胤 
回答者としてお願いしたお二人は、早くからISO表示とJIS表示の問題に取り組み、今回も改正委員会にオブザーバーとして参加された住連木氏。Temaの代表として改正委員会に参加されていた岡崎氏にお願いしました。
進行の概要は以下のようでした。

  1. いろいろな背景はありますが、要は「JISとISOの表示の整合性を 持たせよう」という趣旨で、始まった事です。
    結果、新JISの今後の展開は→①2014年10月20日公示、②2015年4月告示、③2016年12月からは順次添付となります。
    しかし、過去の同様の例から考えると、早くから取り入れるメーカーがあり、また始まると普及は一段と加速します。これは、販売者の対応によると考えられています。
  2. 新JISのポイントについて、それぞれ話されました。
    ①従来、多少アパレルからの情報提示というきらいもありましたが、今回はより「消費者のためになる表示」という考え方で作られています。
    ②商業クリーニングも対象の表示が出来た→従来の表示の対象者は消費者でしたが、今回、「○」で表示されるものは、クリーニング業者を対象に付けられているものです。表示の意味(試験内容)を把握しておく必要がありあます。
    ③上限情報が表示されています→実際の処理は、表示されている範囲での(厳しい)条件で行うことが求められています。例えば、ウエットクリーニングの表示 にアンダーバーとされた場合、MH値30~60程度?と考えると、これに適合しない処置はすべて自己責任となります。また、ドライクリーニングで水の添加 をしない(ドライマークの下にアンダーバー)とされた場合、チャージシステムでは対応できない時期(梅雨~夏期)が出来ます。
    ④漂白記号の追加とウエットクリーニングの追加→ここで採用されたウエットクリーニングは従来の場合と異なり、ドライクリーニング、ランドリーとは別種の処置と考えなければなりません。
    特に、衣服への洗浄のための機械的力を測る手段として、MA(メカニカルアクション)値という方法を取り入れました。この値と、現在の自社の方法がどのような値を取っているかを把握しないと、対応出来なくなるという事態を招きます。
  3. アパレルへの影響→アパレルは「(略)絵表示の移行へのガイドライン」を作成、これに取り組もうとしています。全て「×」の表示をなくそうと努力されているそうなので、業者としてはありがたいことのようです。
    しかし、全製品実機検査等は事実上不可能と考えられるので、どのような処置を取るべきか、決まっていないようです。
    この問題については、認定指定業者として、これを販路の一つとして考える業者の方もおられるようです。
    〔私見〕この際だからと、アパレル中でクリーニングの勉強を徹底的にされた場合、これに対抗出来る業者は何人いるのだろうか?、業者の勉強不足が露呈しそうで怖いのですが。考えすぎでしょうか。
  4. クリーニング業者への影響→クリーニングの処置が認められるということは、クリーニング業が認められるということなので良いのでは、という意見が出ました。
    また、アパレルと衣服の製造過程から情報交換が出来る機会が出来る、アパレルとの関係改善につながるのではとの意見もありました。しかし、私達も話し合いに応じられるだけの知識も必要となってきます。
    「製造年月日の記載」という話しもあったようですが、結局は見送られたようです。業者側としては、大変残念でした。
    この改正による、知識の習得、情報の入手、カウンターの教育の差などで遅れを取らないようにしないと、業者間が篩に掛かるように思います。
  5. 残されている問題→ウエットクリーニングのMA値の問題、同じく乾燥・仕上げ手段の問題(現在の所、規程はありません)。ドライクリーニングの水の添加に対する見解。メディアの反応(現在の所、取り上げられた事例はありません)。

 

第3講座 負の遺産の精算
『土壌汚染の浄化の実例』
事情は色々あるのですが、F社が借地を返還するに当たり、パークロロエチレンによる土壌汚染が明らかになり、土壌を浄化することになりました。
検査・溶剤検出(土地の何処に汚染が生じているか)、浄化方法に見積をとると、余りにも大きな差がありました。
作業方法にもよるのでしょうが、その違いは5千万円~2億円ととても想像を絶する物でした。
いろいろと作業方法、実績を検討し、B社の方法を採用することになりました。簡単に述べれば、手順としては→①どこの部分に、どの程度の深さで土壌が汚染 されているかの詳細調査を行いました。②この結果から、掘削土量を算出。③順次中和作業を行いました。④土壌改良の確認を行い、土地を返還しました。
詳細は、資料を入手次第「毛利レポート」に掲載します。

第4講座 株式会社 アピッシュ 代表取締役 山崎美香
『洗濯代行 Wash&Fold』
山崎社長は、アメリカ発の新しいビジネスモデル「Wash&Fold」の可能性、と題してお話しを展開されました。
始めに、米国で「Wash&Fold」に出会い、経験し「便利なサービス」、「米国ではあるが我が国にはない」、これは新しい『文化を創れる』サービスだと感じたそうです。
いろいろと検討、企画された上で、「常に先進的で革新的なライフスタイルを提案し、人々の生活に必要不可欠な存在であり続ける」を企業理念に、コインラン ドリー、洗濯代行(Wash&Fold)、ドライクリーニングの取り次ぎを3本の柱として起業されました。
その際、店舗の名称を「Wash&Fold(ブランド名)」としました。
①コインランドリーは有人(洗濯代行の従業員が常駐)となりますので、コインのシステム(使い方)の細かい説明は貼らずに、「なんでもおたづね下さい」としました。→店内はとてもすっきりとしています。
②Wash&Foldは、規定のカバンに詰め放題、お持ちこみ(carry in)2,200円,集荷・お届け(pick up)3,000円としました。米国では規定重量毎の換算で料金が決まります。集荷・お届けが主力となっています。
③クリーニング(ドライクリーニング&ランドリーの要仕上げ商品)の受付。料金表によれば(店舗により料金は多少異る)、ワイシャツ\250、スーツ上下で\1,320です。
〔顧客〕  
顧客ターゲットは、中・高所得者で多忙な家庭を中心に、忙しい独身者、ホテルの長期滞在者、イベントの参加者となっています。
おかげさまで、サービスが認知されているようで、顧客様の多くがリピート客として定着しています。
〔告知・販促〕
広告・宣伝・販促は、開店初期にポスティングを行うだけで、殆ど行いません。その代わり、「日本初」「創出された文化」「独自のコンセプト」などを全面に、プレスリリースを活用しています。
販促活動はほとんど行っていません。販促のための値引きサービスは一切行っていません。
〔斬新なデザイン店舗とくつろぎ〕  
「木」を意識して、シンプルに床、壁面をウッド仕様としています。また、コーヒー、冷水が自由にお飲みいただけるようになっています。
〔お願い〕
この業が一層の発展をするため、より多くの店舗が展開すること、また、ライバル会社の出現を望んでいます。

第5講座 テキスタイルケア代表理事 住連木まさし
『業態変化を試みて見ませんか』
戦後、清潔・衛生を目的に発展してきた我が国のクリーニング業は、ドライクリーニング、ワイシャツ(ランドリー)の仕上げを中心に充分成熟したものとなりました。
ただし、機械化による単一の洗浄・仕上げによるサービスは、低価格での提供を生みましたが、一方で、難洗衣料の拒絶(洗えません)を生み、ファッション性 の高い衣料品のケアが出来ない状態を生んでいます。しかし現状、このようなものを専門に受け入れる(ケアしてくれる)所が無いのです。
このような、ケアを引き受ける、クリーニングと異なる業態があってしかるべきではないかと、住連木氏は「テキスタイルケア協会」を設立されたのです。
これらをふまえ、我が国のクリーニング業の歴史、ドライクリーニングの意義、現在のファッション素材とクリーニング業の関係を話され、考え方・生き方に賛同される方々と「テキスタイルケア」という業を発展させて行きたいと話されました。

住連木氏が提唱している「テキスタイルケア」とは、クリーニングとは一線を画した、異なる業態として起業しませんかと言うことです。
「テキスタイルケア」という言葉は、欧州では定着してクリーニングという言葉が使われなくなっているようですが、我が国ではまだ広く認知された言葉とはなっていません。それだけに、参集された方々の一層の努力が求められています。
さらに、参集される方々も、現在のクリーニングを引きずっていては、業態の変革とはなりません。「洗う」と「ケア」は必ずしも一致する必要はありません。そこでは衣服を「ケア」するために取られる手段が選ばれるのです。
このことがご理解いただけたら、業態の変化を試みられ、是非一緒に業の発展をしましょうと、強く呼びかけられました。

ページトップに戻る