クリーニングのトータルコンサルティング
2016年01月08日
【閑話休題】
米国陸軍洗濯工場の教程本(T-M-10-354/昭和24年・刊)の中随所にロットに関する記述があります。
抜粋してみますので、考え方の根本は変わっていないこと、今と変わらぬ注意がなされていること、いまだに出来ていないこと等々(私達は進歩をしたのだろうか?)を知ってください。チョット情けなくなります。
以下、内容は本よりの抜粋ですが、部隊及び個人対象の仕事ですので、個々の品物、家族単位、部隊・小隊単位、部隊単位でロットが組まれているので複雑です。したがって、これに関しては意訳(毛利春雄)をしてあります。
19.集荷及び発送計画
a.洗濯将校は毎日の集荷及び発送の計画予定をたてなければならない。
・その際、彼は毎日の仕事の量が同じ位になる様にしなくてはならない、 もしそうしなければ工場に多くの労働力を集めて置き、工場内に大きな 貯蔵所を設けなければならなくなる。
※日々の仕事量の変動をなくして、工場への負担を少なくすることが 肝要だとされています。同時に、そのためにストックされる商品の貯蔵にも配慮されているようです。
・・・以下略。
c.前略・・・なぜなら仕事を恒に滑らかに流す為の秘訣は、この洗濯物 の仕事の偏りをなくし、完全なものに直したら「洗濯機に品物を詰め込んだりする必要はなくなる」・・・以下略。
※ワッシャーへの過負荷は、集荷方法の誤りと指摘しています。
20.ロットの大きさ
通常ロットは受付(集荷)によって定めた大きさのロットに区分して、受 け取った順に入荷へ送る。適当な大きさ(意訳)でないロットは、主任 によってロットを編成しても良い。ただし、如何なる場合でも48点よ り少なくなったり96点より多くしてはならない。
※多くの場合、ロットの大きさは配送によって一定に区分出来るが、こ れに当てはまらない場合は、主任(責任者)によってロット編成をしても良い。ロットの一定量は48~96点と定められている。
37.整理及びチェックの方法
b.・・・前略。彼(主任)はこの職場に送られて来たロットが、順序よ く整理係に渡されているかを調べる。整理係が1ロットの仕事を始め ようとする時には、全部が完全に揃っていなければならない。
※ロットは必ず順に送られなければならない。整理はロットが揃ってか らでなければ仕事をしてはならない。
C.(以下意訳)・・・中略・・・。チケット(伝票)は番号(親番) 順にスリックレールに並べる。・・・中略・・・。
そのロットに属する品物はすべてスリックレールに持ってきて、 品物を親番毎に吊す。全部の品物を吊したらチケット(親番)毎に品物とチケットを照らし合わせてチェックする。・・・中略・・・。
品物をチェックするのに色鉛筆を用いる。チケットのチェックが完全 に終わったら整理担当者は自分の頭文字か自分の番号を記入する。
38.発送係
・・・中略・・・。
c.発送係主任の任務は
①洗濯将校によって定められた日程表により洗濯の済んだ品物を部隊及び個人に発送することである。・・・中略・・・。
②品物を部隊に発送するときには、確かにその部隊の品物であることを 確かめる。
③発送した品物に対し部隊側の代表者から受領印を受け取ること。
・・・中略・・・。
⑧すべての規則及び命令の違反は、直ちに監督か洗濯将校に報告する。
※現在、店舗での受領印をもらうことはありませんが、本当はもらう べきなのでしょう。